Act.7  レギュラーさん、ご



景吾に連れられて、レギュラー用部室に恐る恐る入れば、楽しそうに談笑しているレギュラー陣の姿が。
あぁ……っ、神々しすぎて近寄れないよ……ッ!目に見えないオーラを感じます……ッ!
わ、私は隅っこ希望で…………。

ちゃん、なにしとんねん、主役がそんな隅っこにおっちゃあかんで」

あいむのっと主役ですよ!

私は影となりますので、貴方たちがの光を浴びる神々しい姿を見せてください!
もうそれだけで私は生きていけます!

「まぁまぁ、そこに座りぃ」

大きい方のソファーに強引に座らせられる。
当然のように景吾が毛皮の1人用ソファーに座った。
私の隣にがっくん、そして侑士が座ると、チョタ、亮、樺地くんはパソコンの前においてある椅子に座った。

「自己紹介をしてないのは、誰だ?」

「あ、俺まだですよね。…………鳳長太郎、って言います。今1年です。……さんよりも、大きいんですけどね」

チョタ―――!!!(心の中で大絶叫)
あわわ、大きいけどあなたは確実に犬だよ!大型犬だよ!
撫でて触ってハグしていいで(強制終了)

「よ、よろしくね…………あ、あのさ…………」

言え、言うんだ
ここで言わなきゃ、一生後悔するぞ!!!

ぐっと拳を握って、チョタを見つめる。

「はい?なんですか?」

「ちょ……」

「ちょ?」

「チョタって呼んでいいですか!?」

「はっ!?」

言った……!言ったぞ……!、今、人生で1番勇気を使った……!
だって、チョタのことはチョタって呼びたかったんだもん!
鳳くんとかも初々しくていいけど、チョタはチョタって呼びたかったんだもん!(泣)

「えーっと……さんがそう呼びたいんなら、どうぞ」

「ほ、ホント!?ありがと!よろしくね、チョタ!!!」

言ってみるもんだ!!!(感激)
よっしゃー!がっくんに引き続き、チョタと呼ぶ権利、ゲ〜〜〜ット!!!

「次は……樺地か」

「ウス」

、コイツは樺地宗弘。俺様と幼稚舎からの付き合いだ」

「ウス。……よろしく、お願いします」

しゃべった〜〜〜!!!(当たり前)
ってか、チョタもでかいけど、樺地もでかいよ!
これで中学1年生!?ありえねー!!!!!

「よ、よろしくね、樺地くん。…………樺地くんは、なんて呼べばいいのかな?」

かばじぃはダメよね、やっぱし……ここは、むねちゃんとでも呼ぶべきか!?

「樺地は樺地としか呼び様がないんじゃねぇのか?」

「……………………そうですね。……じゃ、樺地くん、よろしくね」

「ウス」

なんか、樺地くんって今まであんまり見てなかったんだけど……。
改めて見ると、すっごい目が可愛いよ!
何、この純真無垢でキラキラしてる目!
あぁ、私が酷く汚れている気がする…………!

ねぇねぇ、とジローちゃんが手を上げている。

ってドコから来たの〜?」

「へっ!?」

ジ、ジロー様……!設定にないことをおっしゃらないでください……!
ドコからって、異世界ですがッ!!!

景吾様、助けてください……ッ!
懇願のまなざしを景吾に向ける。
なんて言えばいいんですか……!?私の元の世界での住所を言うべきでしょうか……!?

「長野だ」

へっ?

は長野にある、俺の叔父が理事を務める学校にいた。な?」

「そ、そうなの!長野なんだー!」

「へぇ〜。遠いねぇ。家族も一緒にこっちに来たの?」

「ううん、私1人だけ、こっちに」

「へっ!?じゃ、1人暮らしなの!?」

「え、あ、いや……その……」

は、俺の家に住んでいる」

Oh〜〜〜〜〜!!!

景吾様、サラリと言ってくれちゃいましたYO……!
人がせっかくなんて言おうか考えていたというのに……!

ほら、みんな驚きすぎて固まってるじゃん!!

このことがもし他の女子生徒に漏れたら、マジ私殺されるから!
呪いとかそーゆーものの前に、闇夜でブッスリ殺されるから!!

後で厳重に口止めしておかねば!
本気で命 に か か わ る !

「……それは、大変そうですね……」

「は、はは……まぁね。みんな、このこと、他の子には言わないでくれるかな……?じゃないと、私。絶対景吾ファンの子に刺されるから……イヤ、冗談抜きで…………」

みんな、神妙な面持ちで頷いてくれた。景吾1人だけどこ吹く風〜だったけどね。

「なぁ、って、スポーツやってたんだって?」

おぉっ……ここにもキラキラ目を輝かせてる坊ちゃんがいらっしゃいました……!
キラキラお目目のおかっぱくん……その名はがっくん!!!

「うん、一応選手としてね。だから、マネージャーは初めてなんだけど……」

さんなら、立派にマネージャーを務められますよ!……でも、捨てがたいですね。人を1人背負って、あれだけ走れるんですから、選手としても捨てがたいですが」

「そうだな……脚力もあるし、お前の場合、背ももったいない。少し、本格的にテニスやってみるか?」

「はっ!?なにをおっしゃいます、景吾さん!」

「運動神経よさそうだしな、お前」

亮が追い討ちを掛けるようなことを言う。
いつの間にか、周りはみんな、私がテニスをすることにしてるよ……!

「でも、私、マネージャーだし!練習する暇なんて……」

「練習が終わった後なら、いくらでも付き合ってやるぜ?どうせ、全体練習が終わったら自主練だしなっ!オレのネットプレイ、伝授しちゃるっ」

「無理無理無理!あんな飛べないから!」

「じゃあ、俺はサーブをお教えしますよ」

「俺と宍戸はストロークやな」

「はーい!俺はボレー教えるよ〜!教え甲斐がありそうだCー!!!」

「…………コピーの仕方、教えます」

「俺様は、お前の弱点を克服させてやる。……まぁ、せいぜい頑張るんだな。頑張りしだいによっては、女テニに進言してやる」

………………なんだか、話がすごいことになってる………………。
くっ……頑張れ、頑張るんだ
練習後も氷帝のテニス部レギュラーと一緒にいれると思えば、そんな頑張り、安いものじゃないの!!

「が、頑張ってみるよ…………」

「じゃ、明日からだなっ!楽しみが増えたぜ!」

がっきゅん…………あなたの笑顔のために、お姉さんは頑張るよっ!(何)

「帰りにラケットも買って帰るか」

「………………はい」

お買い物リストにラケット追加で〜す。
……はぁ、お金はあんまり使いたくないんだけどなぁ。

「それから、練習着だな。うちが経営してるスポーツジムで販売してるのがあるから、それを着るといい」

「ありがとうございます…………」

「ちょお待てや。…………なぁ、と跡部ってどんな関係なん?ただの親戚にしちゃあ親密やし……恋人とかじゃあらへんよな?」

「な、ななな、何をおっしゃいますか、侑士さん!ありえませんって!ただの親戚ですよ、親戚!ねっ?」

「……………………なんでそんなに否定するんだ?別に勝手にそう思わせておけばいいじゃねぇか、あーん?」

「いや――――――!!私、まだ死にたくな〜い!!!」

「なんや、違うんやったらそれはそれでえぇねん。……ちゃん、ハイテンションやなぁ?見てておもろいわ」

「ハイテンションにさせてるのは、侑士たちのせいです!(泣)」

こうして私たちは、放課後の部活まで、ひたすら喋り続けたのだった。
質問されてわからないところは、すべて景吾まかせ。

…………後で、ちゃんと口裏合わせとこう。



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