月曜日の朝。

「おはよー」

朝練の前に集まったみんな(レギュラー)に、チョコを渡す。

「遅れてゴメン、バレンタインデーのチョコ。あっ、ちゃんと買ったのはバレンタインデーの日だからね!?」

決して、15日の売れ残りセール品を買ったわけではないのですよ。
…………イルミネーションを見た後に、景吾と一緒に選んだけれども。



Act.15  慢話は、ほどほどに



「おー!ちゃん、ありがとさん!いっやー、俺、もうチョコなんて見たないと思てたんやけど、これだけは別や〜。ありがたく、食わせてもらうで」

こう言ってくれたのは、侑士。
…………チョコ見たくないほど、たくさんもらったのね…………さすが氷帝の天才(意味違)

「サンキュ〜!ホワイトデー、楽しみにしててみそ」

がっくん……あぁ可愛いvv撫でくりまわしたい……!
もう、君のその笑顔を毎日見せてくれることが私の楽しみです!!
脳内が変態色に染まる前に、続いてやってきた亮にも渡す。

「おっ、チョコか〜。サンキュ」

「亮のはね、ミント風味のチョコなんだよ〜」

亮の長い髪がサラサラ揺れてる。掴んでもいいですか(ダメです)
嬉しそうに鞄にチョコをしまってくれた。

、俺には、俺には〜!?」

「もちろんジローちゃんにもあるよ。ハイ」

オレンジ色のラッピングに包まれたチョコを渡すと、ジローちゃんは『嬉Cー!』と絶叫した。

「俺、これ食わないでとっておくCー!」

「いや、ちゃんと食べて!?食べてね!?」

食べ物だから、それ!
チョコは保存がきく方だけど、永久に食べれるものじゃないから!

「樺地くんにも、ハイ」

「ウス……ありがとう、ございます」

「いえいえ(あぁ、和む……!)」

「チョタにもね」

「うわぁ〜、ありがとうございます!まさかいただけるとは思ってませんでした!」

私からのでよければ、いくらでもあげますよ!(鼻息荒い)
もう、チョタってば可愛い……!
どうやらチョタは白チョタらしい。まだ黒チョタを見たことがないんだよね……。あぁ、えぇ子や……vv

「おい、何やってやがる、朝練始めるぞ」

先にコートに行っていた景吾が戻ってきた。
どうやらいつまで経ってもコートに降りない私たちに痺れを切らしたらしい。

「あ、景吾。じゃ、みんな、先行ってるね〜」

一足先に、部室を出て行く。

部室を出た私は、スキップしそうなくらい、ご機嫌だった。

なぜかといいますと。

氷帝ジャージですよ!
私、氷帝ジャージを頂いたのですよ!あの、縦線がいっぱい入ってるヤツ!
発注していたのが、昨日届いたらしくて、今日から氷帝ジャージなのです!(今までは、市販のジャージ着用だった)

「ふふ……ふふふふ…………」

笑みが漏れてしまうのも、仕方ないでしょう?
コスプレじゃないよ、ちゃんと私のジャージだもん!

1番最初に、景吾が『メンズのサイズはLでいいな?』って聞いてきたのが、これだったらしく!
はぁ……氷帝ジャージ、最高……!あったかいしっ……!

いつもよりも断然張り切って、ボトルを準備。そしてコートに走っていったんだけど。
…………あら?レギュラー陣がまだ来てない。
おっかしーな、さっき景吾が呼びに来てから、軽く10分は経ってると思うんだけど。
呼びに行って来ようかな?

バンッ!
ダダダダダダダダダダッ。

ものすごい勢いで、誰かが走ってきてる…………

「って、えぇっ!?」

誰かどころの話じゃありません。


レギュラー全員全力疾走してます。


「「「「「「(ちゃん、さん)!」」」」」」

「は、ハイッ!」

「今度、ゲーセン一緒に行こうなッ!?」

「えっ、ちょ、がっくん、話が読めない……」

ちゃんとやったら、俺、プリクラいっぱい撮ったるから!」

「ゆ、侑士?」

「カラオケ行こうぜ、カラオケ!ビリヤードでもいいけどよ」

「…………あ、あのー……亮くん?」

さん、ビーフカッセロールのおいしいお店があるんです、今度行きましょう!」

「チョター?」

「俺、とどっかいくんだったら、絶対寝ないCー!」

「ジローちゃんまで……」

「……ウス……」

「樺地くんだけはいつもどおりで、お姉さん嬉しいよ……」

マシンガントークに私の脳はパンク寸前。
一体なにが起こったと言うんでしょう……?

「おい、テメェら!何やってやがる!から離れろ!」

「景吾……いったいなにが起こったの?みんなの様子がおかしいんだけど……」

「ちょっと14日の話をしてやっただけだ。ついでにプリクラも見せてやった」

!!!!!!!

「イヤ――――――!ちょ、ちょっと景吾、なんって恥ずかしいもの見せてるのさ――――――!!」

ぷ、プリクラって、景吾が私を抱きしめちゃったりしてるヤツじゃないですか!(恥)

「あーん?別にいいだろ?見せて困るものでもねぇ」

「困ります!大いに困ります!まだレギュラー陣だからよかったけど、こんなのが女子生徒にバレてみなよ、その日のうちに、確実に呪いのわら人形100個分注文されるから!」

もちろん、わら人形にいれる髪の毛は、私の頭からブチブチ抜かれていくんだろうさ!(泣)

「とにかく、私の命(+髪の毛)のためにも、そのプリクラ、女子生徒に見せるの厳禁だからね!?というか、そのプリクラの存在も言っちゃダメ!遊びにいったのも言っちゃダメ!」

「つまんねぇじゃねぇか、自慢できねぇ」

「私は自慢になるけども、景吾が自慢する要素は皆無だよ!」

「いや、アイツら羨ましがってるし」

景吾が指差したのは、レギュラー陣。
…………おぉ?なんか恨めしげにこっちを見てる……?

「跡部だけずるいCー……俺だって、ちゃんと遊びたE……」

「跡部……クソクソッ、見てろよー!」

「跡部のヤツ……ちきしょう、ヤキモチ妬くのは激ダサだが…………!」

ちゃん……跡部にだけいい思いはさせへん!」

「跡部さん…………ふふ(怪しげな笑み)」

「…………ウス」

えぇぇぇぇぇ〜〜〜〜!?
ってか、チョタ、笑顔が黒い……!?えっ、チョタってやっぱり黒かったの!?初黒チョタご対面!?

ポン、と景吾の手が頭に乗っかる。

「今度は、パーティーに行く約束もしたしな、あーん?」

してないっ。
してないよっ!
あれは、景吾さんが勝手に……!

ッ、遊びに行くぞ!」

「えっ、がっくん!?……で、でも時間があんまりないし……期末考査もあるし」

「行く!!行くったら行くんだ!!」

「えぇぇ!?」

「じゃ、テスト終わったら行く!」

「えぇっと……期末考査終わるの、水曜日か……部活もないし、放課後みんなで遊びに行こう!?ね!?……だから、部活始めよう!?」

いい加減部活を始めないと……!
一般部員の子達に大迷惑だよ……!

「よっしゃー!約束だぞ!期末考査終わったら、遊びにいくんだからな!」

「岳人だけやないで。俺らも一緒やからな」

ふぅ……なんとか落ち着いたらしい。
……みんな、どうしたのよ、一体。私と遊びたい……?いやいや、そんなわけあるか。
はっ、もしかして、プリクラ撮りたかったの!?いや、確かに男同士じゃプリクラコーナー入れないだろうけどさー……。

とにかく、期末考査、頑張らなきゃ……!(それが一番大事なのか)



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