「!」 「わぁ!?」 いきなり抱きついてきた不審人物。 わたわたと確認すれば、 「驚いた?」 「マグナかぁ……ビックリした……」 セクハラ親父だったら騎士団に連れてくけど、マグナだったら許せてしまうのが、ワンコフェイスの効果だろうか(そんな馬鹿な) 「が遅いから、迎えに来たんだよ〜」 「えっ!?ゴメン!」 「あはは、俺が迎えに来たかったから来ただけなんだけどさ。……一緒にお祭り行こう?」 「うん、行こう行こう!……みんなは?」 「もう会場に行ってるよ〜。俺たちが最後〜。ほら、早く早く!」 うきうきとスキップしそうなくらい嬉しそうなマグナを、慌てて追いかけた。 「うわぁ〜……予想はしてたけど……すごいね〜、人が」 「ホントだなぁ〜……王都の人も遊びに来てるのかもな」 「あはは、そうかもね。……っと、スミマセン」 人数が多いから、人とぶつかるぶつかる。 その度に、すみませんすみません、と謝ってしまうので、やっぱり私は日本人なんだな〜、と苦笑してしまう。 「、大丈夫?」 マグナの声が、遠くから聞こえる。人込みに流されて、離れてしまったらしい。 少し大きな声で返事をする。 「う、うん……なんとか……ッ!どわっ!?」 「……んだよ、いってぇなぁ……テメェ、目ぇどこにつけてやがるんだよ」 ひえぇぇぇぇ、目つき悪いお兄さん〜〜〜!! 「すみませんすみません!今度から気をつけます!」 ちっ、と舌打ちをして去っていくお兄さん。 「こ、怖……」 「!こっち!」 ぐいっと手を引かれる。 思った以上にその手がゴツくて、大きかったのでビックリした。 「マグナ!?」 やっと人込みから抜け出せて、マグナと対面。 マグナが人からかばってくれるように、道を作ってくれて道路脇までなんとか行く事が出来た。 「はぁ〜……怖かったぁ〜……」 「ごめんね、俺がいるのに変なのに絡まれたりして」 「いや、そんなの私が悪いんだし!」 「でも……俺、男だし、のこと守らなきゃいけなかったのに」 ゴメン!と頭を下げて、もう1度手を握りなおす。 「これからは、はぐれないように、手、繋いでような?」 いつもはワンコで、カッコいいとか男らしいというよりも、可愛くてキュートvvなイメージのマグナなんだけど。 …………本日は、カッコイイ度120%だよ。 つながれた男っぽい大きな手が、すごく温かかった。 NEXT |