気がつけば森の中……

そんなのってあり?



Act.0  たなる招待者。



今日も学校が終わった!!
私は、急ぎ足で帰り道を急ぐ。
そう、すべてはサモナイのため。

サモンナイトというゲームにハマってから、もう何ヶ月だろう。
とにかく、全てが私のツボだった。
やり始めて数分して「来たっ!これだ!来た来た来た〜〜〜!!!」と叫んでいたのは、紛れもないこの私。
そう、私はサモナイの虜になっていたのである。
すべてのゲームをクリアした。1も2も3もどれも良かったvv
そして、クリアした今は、サモナイのサイトを巡りめぐっているのである。

「今日は……サモナイ交流所からいこっかなぁvv」

と、呟いたとき。

バシュゥゥゥゥウ!!!

「…………………あ?」

私は、なんだかわけのわからない光を目にして、あっさり意識を飛ばした。

そして。



目が覚めたら、森でした。



「って、どうなってんだこりゃ〜〜〜!!!

こりゃ〜 こりゃ〜 こりゃ〜…………

あぁ、響くこだまがとても空しい(泣)
ためしに、ムニ〜、と頬をひっぱって、ついでに腕もつねってみた。

…………痛い…………。

なに?……一体なにが起こったの?
ここはドコ?
ドスン、と座り込む。お尻が痛かった。
ちょっと待ってよ…………私、ただ単に学校から家に帰ろうとしていただけだよ?
現に、制服だし、鞄も……うん、鞄も持ってる。
…………ねぇ、このパターンって…………。

異世界トリップっぽくない!?

うん、そうだよ。トリップじゃないの!?
…………で。ここはドコ?←最初に戻る

…………ここでこーしてても始まんないや。とにかく、動くしかない。

私は、思いっきりため息をつくと、お尻についた土を落としながら立ち上がった。

バチッ。

…………なんか、正体不明の青いプルプルと、思いっきり目があったんですけど。
うようよとこちらへ寄ってくる。
ちょっと、待って………これ、見たことが…………。

そう、ゼリー状の…………。

「あぁぁぁ〜〜〜!!!ブルーゼリー!!!」

名前を叫ぶとドバァッ!と寄ってきた!
いやあぁぁぁ、気色悪いぃぃぃ〜!しかも、なんか来るのはやいぃぃぃ〜〜〜!!

くるりと方向転換をして、ダッシュで逃げる。
追いかけてくるブルーゼリー。
無理!戦闘無理!!!
一介の日本人ですよ!?私!!!

かつてないほどの速さで走る。すると、しばらくして視界が開けてきた。

「やった!森さえ抜ければ……」

ガクン。

あ?

足を…………踏み外した。
目は森を抜けることしか考えていなかったので、すぐ真下の崖のようなものに気づかなかったらしい。

って、冷静に分析してる場合じゃない!

「いやぁぁぁぁぁぁ!!!こんなところで死にたくないぃぃ!!せめて、どこの世界かわかってからにしてぇぇぇ!」

ザザザザザザザッ。

「なんだ!?……ってうわぁぁぁ!?」

…………気を失う前に見た顔がトリスとマグナだったのは…………。
私がサモナイ依存症だから…………?

でも、二人そろってるっていうところが、また依存症くさいよね?




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