パニック召喚〜召喚夜の場合〜




今日は天気もいいし、フリーバトルでちょこっとアイテム&金稼ぎ。
まぁ、本当にちょこっとだから、と思ってバルレルと、その場にいたしか連れてこなかったのが悪かった。
相手ははぐれ召喚獣。
大したことない相手のはずなのだが。
………………なにせ、数が多かった。
うようようようようようよ、その数は軽く10を超える。
適当に2、3匹倒してすぐに帰ろう、と思っていたのに、いつの間にか取り囲まれていて。
戦闘要員は2人。は回復要員。
………………この状況を打破するには、もはや打撃攻撃じゃダメだって思った。

「だぁぁぁぁ!ラチがあかねぇ!ニンゲン!こいつらまとめて召喚術でブッ倒せ!じゃねーと、やられっぞ!?」

隣でバルレルがを守りながら、槍を振るって叫んだ。

「俺も、そう思ってたトコ…………」

「ぎゃあぁぁあ!バルレル、バルレル後ろ―――!!!!」

「ちぃっ!」

の声に、バルレルがすばやく反応して、後ろの敵をなぎ払う。
じりじりと迫ってくるはぐれたち。

ポケットの中を漁って、召喚石を取り出す。
確か持っていた召喚獣は…………魔臣ガルマザリア。

が手当たり次第に投げる石をふと見て、なんだか前に説明してもらった『ヤキュウ』というゲームが、頭をちらりとよぎった。

それがいけなかったのかもしれない。
…………でも、焦っていたのもあっただろう。
何が原因かは特定することは出来ない。

でも、とりあえず俺は、ろくに召喚石の種類も確認せずに、詠唱をした。

「ガルマザリア!」

唱えたときに気づいた。
その召喚石の色が。

透明だったことに。


カァッ!!!

まばゆい光が広がると。

現れたのは黒ずくめのお姉さんじゃなくて。

…………白ずくめの、銀髪のお兄さんだった。





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