突然、地上に今までいなかったモノが現れるのは、この世界ではそんなに珍しいことではない。
召喚術の組み合わせでは、装備品なども出てきたりするし。
だから、別に驚くようなことではないのだけれど―――。
出てきた人物が問題です。
パニック召喚〜召喚夜の場合〜
「………………あ?」
現れた人間は、一言だけ言葉を発すると、立ちすくむ私を認めて、叫んだ。
「………………!?」
「冥ッ!!!」
そこに立っていたのは。
かつて1度、私がトリップしたことのある世界の住人。
犬飼、冥だった(しかもユニフォーム姿)。
「とりあえず、なんでお前がここに…………」
「って、それは私のセリフだっつーの!!!私がいる世界に、今度は冥が来たんだよ!!」
「は?オマエ、それ笑えないジョーダン…………」
そこで、冥はキョロキョロとあたりを見回して、得体の知れない獣に囲まれていることに気づき、ピクリと眉を上げた。
「………………………とりあえず、少しだけ状況がわかった」
「でしょ―――!?ってか、マグナ―――!!またやったわね!?」
「わあぁぁあ!ゴメンナサイ〜〜〜!!!てっきり、ガルマザリアだと思って召喚したら……無色の召喚石だったvv」
「って、バカ―――!!!でも、とりあえず、この状況を何とかしてよ―――!!!」
じりじりと迫ってくる召喚獣。
私はバルレルの背後に隠れながら、手当たりしだい地面にあるものを、放り投げていた。
「ぎゃあぁ!バルレル、左!左―――!!!」
バルレルが私の言葉に反応して、左側に迫ってきていたはぐれを突き刺す。
「おい、ニンゲン!他に召喚石はないのかよ!?」
「ちょ、ちょっと待って、今探してるから!」
「アホか―――!!!戦闘前に準備しとけ―――!!!」
「ご、ごめん〜!」
「………………おい、。とりあえず、俺はどうしたらいいんだ?」
「冥!危ないからこっち来て〜〜〜!!そいつら噛み付いたりするから!!」
私の必死の叫び声に、冥は頷いて近くまで走ってくる。
さすがに足は速いらしい。
「…………チィッ……俺も召喚石装備してくるんだったな…………おい、そこのシラガ!少しの間なら、テメェでもコイツのこと守れるな!?」
シラガ……って、冥のことか!?
冥も少し気に障ったらしい。
「…………とりあえず……チビがいなくても支障はない」
「チビ言うな!…………おい、。いざとなったらそいつ盾にしろよ!」
そう言い捨てるなり、バルレルははぐれの中に突っ込んだ。
召喚石が見つからなかったのか(なんのために召喚師だ)マグナも、大きな剣を片手に飛び込む。
む、無謀だってば!(汗)
明らかに2人じゃ適わないよ〜!!
「め、めめめめ、冥!石とか、ビシーッ!と投げられない!?」
私の手当たりしだいの攻撃じゃ、あんまりダメージは期待できないけど、ピッチャーである冥の一撃なら、向こうに痛手を食らわせられるかも。
冥は、一瞬迷った感じだったけど、すぐにその場に落ちていた小石を拾った。
ピッ、と小気味いい音がしたかと思うと、ギャンッ!とはぐれ召喚獣の悲鳴のような声が聞こえた。
「…………冥……もしかして、あたった?」
「…………とりあえず、もう1個投げてみるか」
ピッと投げれば、もう1発命中。
「…………動きは早くないな。…………これならイケる」
2、3個今度は拾って、連続で投げつけた。
どうやら、ただの石でも投げつけられると(しかも、かなりの豪腕)かなり効果があるらしい。
………………私も、マグナやバルレルに当てない自信があったら投げつけるんだけど。こんな混戦状態で手当たりしだい攻撃は命取りだ(汗)結局傍観することにする。治療するにも、誰も怪我をしないので、まったくもって必要ない人だ、私は。
ザシュッ……ザシュ……ッ……
そうこうしているうちに、弱った魔物をバルレルたちが止めを刺して、長かった戦闘はようやく終わった。
「……………………マグナ、今度はキチンと出発する前に召喚石の確認しようね」
「……………………了解………………あの……君、ありがとう…………助かったよ」
「………………いや。…………とりあえず、この状況を説明しろ。…………俺は、帰れるんだな?」
「えぇっと…………(汗)」
「帰れるんだよな?」
「…………………た、多分…………」
……やばい、わんこマグナになってきた。
効果音で「キュゥ〜ン」って聞こえる。
私は、近寄って、いいこいいこと頭を撫でてあげる。
「……ッ……どぉしよ〜〜〜!!!」
「大丈夫だって!……ボソボソ……誓約したんじゃなかったの?……」
「うぅ〜……ボソボソ……のはずなんだけど、そのわりに誓約の証がなくて……」
「………………………はははは〜!!!(困ったときの乾いた笑い)」
「?…………とりあえず、その乾いた笑いをヤメロ」
「ぎくっ……冥ちゃ〜ん。まぁまぁ、少しこっちの世界のことを学んで帰るのもイイカモヨ?」
「最後の言葉が白々しすぎる。マイナス95点」
「うぉっ!?どこから来たよ、95!」
冥が、はぁ〜……と大きなため息をつく。
……うっ……久しぶりにそのため息を聞いたわ!
「…………んーと……とにかく、ギブソンさんたちやネスティに相談してみようか♪ま、マグナ、大丈夫、そんな落ち込まないで!なんとかなる、なんとかなるよ!」
「うぅぅ…………〜〜〜……」
「大丈夫、大丈夫よ!(根拠のない慰め)」
「うぅ、、ありがと〜。大好きぃ〜……」
「うぉっ、突発的告白!?あ、ありがとー……私もマグナが好きよ〜、だから、頑張って解決方法見つけようね?」
コクコク頷くわんこマグナ。……あぁ、もう頭ぐりぐりしたい。
「…………仕方ねぇな……」
冥は諦めたのか、ふぅと息を吐くと、くしゃりと私の頭を撫でた。
「………………とりあえず、久しぶり、だな」
「…………久しぶり!…………屋敷に戻ってから、色々話そうね?」
それを見ていたマグナが、取り繕うように手を叩いた。
「よしっ!じゃあ、帰ろう!さぁ帰ろう!」
「オイ、待て」
今まで無言だったバルレルの声。
…………うわぁ〜……めっちゃ、不機嫌そう。
「………………バ、バルレル?」
「テメェ、どこの世界のモンだ?つーか、なんでそんなにコイツと親しげなんだよ」
「………………プッ……チビのくせに嫉妬か……」
「なんだとぉ〜!?っていうかな、俺が元の姿に戻りゃあ……」
「はーいはいはい、バルレルくん。そこまでにしとこーねぇ。…………この人……冥は、前に、私が事故で飛ばされたことがあったでしょ?その先の世界の住人」
うっ、とマグナのうめき声が聞こえる。
…………そーいえば、前のときもマグナが原因だったもんなぁ。
「へぇ〜……世界の住人、ねぇ…………(オイ、テメェ。さりげなくコイツの肩に手ェ回してんじゃねェよ。さっさと自力で帰れ、シラガ)」
なんだか、バルレルの目に得体の知れないオーラが見える……。
ピクリ、と反応した冥がバルレルを見下ろしながら言った。
「まぁ……とりあえず、俺の家にも泊まったし、家族公認の仲って言うヤツか?(クソチビはお呼びじゃねぇんだよ。消えろ、つーか、吹き飛べチビ)」
ブチッ。
「テメェェェェェ!!!」
「バ、バルレル!?」
イキナリ冥に飛び掛ろうとしたバルレルを、すんでのところで引き止める。
あまりにも暴れるので、仕方なく両腕で羽交い絞めにした。
「お、落ち着いて、バルレル〜!!どしたのさ、一体!?」
「だっ、こっ……!」
意味のわからない言葉を発して、バルレルは突然動かなくなる。
「…………バルレル?」
「…………離せ(胸が頭に当たってんだよ、チキショウ!)」
「暴れない?」
「暴れねぇから、早く離せ!」
ゆっくりバルレルを解放する。
バルレルは、フン、と鼻を鳴らすと、ジトリと冥をにらみつけた。
…………なんか、バチバチと火花が散ってる気がする……。
犬猿の仲ってヤツか!?
ハラハラと隣にいるマグナと一緒にそれを見守る。
先に視線をそらしたのは、バルレルだった。
「…………ケッ。…………オイ、ニンゲン。さっさと帰るぞ!」
ふて腐れた物言いに、ようやく静かなる戦いが終わったことに安堵して、私とマグナは大きく大きくため息をついたのだった。
「…………で。…………また、君は召喚術の事故を起こし、異世界の住人である彼を、正当ではない方法でこの世界へ召喚してしまったと。そういうわけなんだな?」
「あぅ……(汗)」
ジロリと自分を睨んだネスティを、ビクビクと怯えた目で見つめるマグナ。
…………あぁ、なんだかその上目遣いが私の心を深く刺激するのですけども!
だけど、1人で萌えているわけにもいかない。というか、これを表情に出してはいけない!
私はなんとか神妙な顔を作り出した(ひねり出した、とも言う)
「そういうわけなんだな?マグナ」
「………………はい………………」
すぅ、とネスティが息を深く吸い込んだ。
来た来た来たぁ!
私を含め、慣れた人間はスッポリと耳を手で覆った(ただし、ネスティの目の前にいるマグナは別)。
「バカか君は!!!」
ビリビリと屋敷が震えた……気がした。
あぁ……耳を塞いでいても聞こえるほどの声……ネスティ、どこで君はそんな発声練習をしたんだい?あれか、召喚術の時の詠唱のための発声練習か?
ほら、隣に立ってた冥が、頭をクワンクワンさせてるじゃんか。
「大体、前のの件からしても、君には注意力が足りないんだ!術を使うときには、最大限に集中を高めないといけないと1番最初に習っただろう!いいか!?召喚術というものは……!」
クドクドとネスティのお説教が始まる。
マグナが、しゅん、とうなだれる。…………尻尾と耳が、見え……(吐血)
「…………とりあえず、俺はどうすればいいんだ」
隣から聞こえてきた声。やっと、ネスティの大声ダメージから復活したらしい。
私は冥と目の前で繰り広げられている、漫才にも見えるお説教とを見比べて―――。
ポン、と冥の肩に手を置いた。
「…………終わりそうにないから、ここは放置して私の部屋へGO!」
冥は素直に頷いて私の後をくっついてきた。
部屋に着いた私は、ベッドに腰掛け、その辺にあった椅子を冥に勧める。
座った冥は、とりあえず……、と前と変わらない調子で話し始めた。
「ここは……お前が言ってた世界、なんだな?」
「うん。……ここは、リィンバウム。全くもって地球とは違う世界だよ」
「…………で、俺は、召喚されてきたと」
「イエス」
「…………俺は、帰れるのかわからん、と」
「あー…………ちょこっと召喚のされかたが特殊だっただけで……まぁ、召喚師も死んでないし、帰れない、ってことはないと思うんだけど……」
「召喚師?死んだ?」
あぁ、そっか……冥はサモナイのゲームをやったことがないから、こーゆー単語、わからないのか。
私は、自分の頭の中にある知識を総動員して、冥に召喚術について説明した。
まぁ、元々ゲームがある世界の住人だ。
簡単に説明をするだけで、冥は理解してくれた。
「…………だが、いつもあんななのか?」
「へ?あんなのって?」
「…………妙な獣とかに囲まれてたりする、アレだ」
「あぁ…………まぁ、たまにね。いつもがいつも、戦ってるわけじゃないけど……必要なら、私たちは人間とも戦ってきたし……悪魔とも戦ってる。そんな世界なのよ、ここは」
あの平和だった地球とは違って。
こう考えるのは、私の思考が段々とこちら側の世界のものになっているからだろうか。
私にとって今、『戦い』というものは、生きていく過程の中で起こるもの。
じぃっと冥が私を見てくる。
「なに?」
「………………とりあえず…………辛くないのか?」
「へ?」
「平和な日本にいたお前が……たやすく、人や動物を傷つけられるとは思えねぇ。……辛く、ないのか?」
冥の直球ストレート(さすがピッチャー)の言葉に、私はポリ……と頬をかいた。
「…………確かに、傷つけたくないんだ…………だから、いつも戦闘では回復ばっかりしてる。……って、だから足手まとい寸前なんだけどね」
「…………」
「へへっ、もうこの話は終わりにしよ?それより、冥がここに来たのも何かの縁!少し街見て回らない?本当にファンタジックで驚くんだから!」
冥はため息をつくと、仕方ないと言わんばかりの顔で立ち上がった。
なんだよぅ、そのイヤそ〜な顔は。
「とりあえず、あのチビだけは連れてくんな」
冥は相当バルレルがお気に召さないらしい。
解決法をうんうん唸りながら考えてるマグナ、それを手伝ってるギブソンさんたちとネスティ。
書斎を覗けばそんなちょっと面白い光景が見れた。
「あのさ、私、ちょっと彼を街に案内してきていいかな?」
見ていた書物からネスティが目を上げる。
「あぁ、いいだろう。…………本当にすまない、僕の指導力不足で君に迷惑をかけたな」
「別に…………に会えたから」
「ちょっとぉ、嬉しいこと言ってくれるじゃん♪んじゃ、冥、街に行こっか!」
私が冥の腕をひっぱって意気揚々と屋敷を出て行った後、ネスティがつぶやいた言葉を、知ることはなかった。
「…………彼も、報われない男の1人なんだな…………」
「ここがねー、食料品市場みたいなところでー、あっちが武器とか装備品とか売ってる店。ちょっと覗いてみる?」
コクンと頷いたので、私と冥はショップに足を踏み入れた。
そして、冥の第一声が。
「…………とりあえず、銃刀法違反だらけの世界だな」
壁に飾られた剣や槍などを見て、冥が呟いた。
確かに。
銃刀法違反者だらけだ。みんな、当たり前のようにショートソードは持ち歩いてるし、冒険者ともなれば、刃渡り60センチはあろうかという大剣を持つ人もたくさんいる。
「ま、そんなの持ってなきゃ生きていけない世界なんだよ、ここは」
無言で剣に触ったり、鎧を見たりしてる。
まぁ、初めてこんな剣とか鎧とかみたんだろうし、驚くのも無理ないよなぁ。
しかし。
………………ユニフォーム姿の男子高校生が武器ショップって、どうよ………………プッ。
コッソリ笑ってる私の姿なんて知らずに、ふと冥の目が一点で止まった。
「ん?なに?…………あぁ、唐草のお守り?それ、可愛いでしょ?でも、実用的なんだよ〜。身につけると、少しだけ体力と防御力が上がるんだって。毒も無効にするらしいし」
「……体力?無効?」
「うん、こういう装備品ってね、ただのオシャレなんかじゃなくって、付加効果がついてくる、戦闘のためのものなんだよ。…………んー、まぁ、買えない金額じゃないし。……おじさん、これちょーだい」
「はいよ。そのまんまでいいかい?」
「うん!」
お金を払って、唐草のお守りを買う。
それを、そのまま冥に手渡した。
「まぁ、こんなものでも記念品♪お土産ね〜。これで、甲子園に向けて頑張ってください」
冥はじぃっとお守りを見つめる。
「…………とりあえず、サンキュ」
「どういたしまして」
店を出たところで、息を切らせたマグナがこちらに向かって走ってきていた。
「あ―――!!!いた―――!!!!!」
「へっ!?どしたのさ、マグナ!」
ぜぇぜぇ、と肩で息をするマグナの背中をトントン叩いてやり、息を整える手助けをする。
マグナは2,3度深呼吸をしたかと思うと、わんこ笑顔全開(!!!)で、嬉しそうに言ったのだった。
「帰り方がわかったんだ!」
「へっ、もう!?早ッ!」
「なんのことはない、ただ、誓約が甘かっただけだから、もう1度俺が誓約しなおして、そして改めて、元の世界に帰せばいいだけの話だったんだ」
「あ〜、なるほど〜…………冥、わかった?」
「サッパリ」
「……あぁ、そう…………でも、意外とアッサリ帰れるみたいだよ」
よかったね、という気持ちと、寂しい気持ちが、半々。
どうせならもうちょっと一緒にいたかった。
向こうのいろんな状況も聞きたかったし。
だけど、早く帰れるなら―――それに越したことはない。
冥には冥の、向こうの世界での生活がある。彼もまた、こんなところでいなくなってはいけない人物なのだ。(だって、マンガの重要人物だし)
「とりあえず、1度屋敷に戻ろうか」
「そうだね」
さすがに、帰り道は言葉数も少なく。
それでも存外に屋敷へつくのは早かった。
すでに屋敷内の一室に、召喚(送還)の準備は出来ていて、みんなそこで待っていた。
みんなって言っても、全員ってわけじゃないけど。ミニスやケイナさんとかいないし。
「じゃあ、まずは誓約をかけ直すな」
ブツブツとマグナが呪文を唱えて、透明な石をかざす。
カァッと冥の体が光り―――透明な石に、印が刻まれた。
「これで、誓約は良し、と……じゃあ、次はその誓約を解除して……」
「とりあえず……少し、待っててくれ」
冥の言葉に、マグナも私も、みんなが止まる。
冥はマグナの前から離れて、私の前に来ると、なにかを手に握らせた。
「…………コーヒー牛乳味の、飴?」
「とりあえず……これくらいしか持ってない。けど、これが俺がここに来た証……だ」
コーヒー牛乳、と書かれた飴を見て、私はそれを固く握り締める。
「うん、また……また、会える日まで、食べずにとっておくよ」
「早く食え」
「嫌だよ」
そんな軽口を交わしてから、冥は私に背を向ける。
マグナの前に、再度立った。
「とりあえず、世話になった」
「いや、こっちこそ迷惑かけただけで…………本当にごめんな」
「………………今度は、もっと暇なときに呼んでくれ。出来るだろ、召喚師」
「へっ?……まぁ、1度誓約したから、できないこともないけど…………」
「そのときは、戦闘には使えねーが馬鹿だけならレベルMAXの奴らも連れてきてやる」
…………さーるーのーたーちーかー……。
「わかった。今度は、もっとちゃんとしたときに呼ぶよ」
「日曜日だとなお良い」
「は?」
冥……マグナに日曜とか言ってもわかんないよ、きっと…………。
「………………とりあえず……は渡さない」
冥が何か言ったみたいだ。小さすぎて、私には聞こえないんだけど、マグナの表情が変わった。
「…………………俺だって、渡すつもりはないよ」
マグナも何か言ったみたいだ。
2人でなにやら不敵に笑いあってる。
唐突に冥が振り向いた。
「…………とりあえず…………また、な」
「うん、またね!」
「いいかい?……じゃ、行くよ」
マグナが送還の呪文を唱え始める。
「異界のものよ、汝が知る世界へ還れ!」
マグナの声と共に―――冥は、姿を消した。
そして、手元に残ったのは、透明な召喚石。
それには確かに刻印があって―――私の手には、コーヒー牛乳の飴があった。
きっと、また会える。
今、その可能性が飴と石になって、私たちの手の中にある。
今度会うときはきっと。
金髪の主将とか、そばかすピッチャーとか、馬鹿猿とかが騒々しくやってくることだろう。
もう、会えないと考えるのはやめて。
会える日を楽しみに待とう。
ねぇ、きっと、どこかで私たちは繋がってるんだ。
THANKS!230000HIT! To 朱雀院 璃殷様
本当に遅れてごめんなさい(汗)
しかも、後半無理やり終わらせた感が溢れてて自分でも嫌になります(泣)駄文で申し訳ないです。
230000HIT、本当にありがとうございました!