目を開ければ、見慣れた天井。

……プラス美形2人組。

あぁ……最高の目覚め……vv

…………ただし、性格は美形にあらず……だけどね?





Scene.15  シルバーペンダント。



「…………2人とも、女の子の部屋に無断で入るなんて…………!!(ドラマチックに)」

「…………テメェ……」

振り上げられたバノッサの拳に、本気であせる。

「冗談だよ、バノッサ!!お、怒んないで!?」

「…………おい、。どーでもいいから、さっさと俺を送還しろ」

「あ、アシュタル……ごめん。気、失っちゃったから帰れなかったんだ?……サプレスの召喚獣、存在するのに魔力使うのにね……ゴメン」

私の言葉に、アシュタルが言葉を失う。
そして、バノッサを見た。……美形ってすばらしい……。2人だと、なおさら。

「おい、。お前、妙に召喚術に詳しいな…………」

「…………へ?」

「そーいえば、オレ様たちが説明してないことまで、よく知ってるよな、お前……」

「あ…………」

「お前…………なぜ知らないはずのことまで知っている」

それは、私がゲームでその存在を知っていたからです。

なんて、口が裂けようと言えない!!

「言わねェと…………」

「言わねぇと?」

「………………明日からオマエの分の菓子はオレ様の腹の中だ」

!!!!!

それはいやぁぁぁぁぁ!!!!

「なら、さっさと吐け」

え、えーと…………(滝汗)

「フラットのメンバーとかに教えてもらって……召喚術に詳しいのが何人もいるからさ」

「…………そうか」

納得した様子に、ほっと息を吐く。
…………あぁ、嘘をついてます。すみません……。
でも、こればっかりは言えないんです……。

「わかった。……とりあえず、俺を返してくれ」

「うん。…………アリガト」

「いいか、ヤバくなったら『呼べ』。いいな?」

「は〜い。……ご苦労さま、アシュタル」

私が呟くと、アシュタルは光に包まれて消え去り、部屋にはバノッサと私の2人だけになった。

「…………これが、召喚術か」

バノッサが、アシュタルの消えた空間を見つめて言う。
そして、自分の手を見つめた。

「オレ様に、魔力がある……か」

「へ?」

「あの馬鹿がそう言いやがった。……なぁ、居候。どう思う」

「(疑問符ついてないんですけど!)…………どうって…………魔力、あるんじゃない?」

「…………あぁ?」

だって、伯爵(ブラックラック)使ってたし。霊属性だってことは知ってるもん。
第一、私でも出来たんだもん、サモーニング。やり方さえ知っていれば、バノッサだってできるはず。

「使えるんじゃない?…………召喚術」

魅魔の宝玉がなくても、本来なら使えるものなのだ、召喚術。
でも…………。

「私は剣のバノッサのが好きだけどなぁ…………強いしvv」

はっきりいって、バノッサの召喚術よりも、攻撃のほうが怖かったもん、ゲーム中で。
だったら、断然召喚術を使うバノッサより、2本の剣でバッサバッサ切り倒すバノッサのがいいに決まってるじゃあーりませんか。

「ばっ…………何言ってやがる!」

「うぁ!?ナゼ怒る!?」

「…………ッ……もういい!寝てろ、バァカ!」

「馬鹿とはなんだ、美白馬鹿!」

「あぁ!?テメェ、永久に寝かせっぞ!?」

「ふふん、バノッサが子守唄でも歌わない限り無理だね!」

はっはっは。バノッサが子守唄なんて歌ったら、魂昇天しますとも。
タン、とサイドテーブルに手をつく。
………………なんでしょう、この袋。

「バノッサの?これ」

はっ、とバノッサが罰の悪そうな顔になる。
……何か、聞いちゃいけないことを聞いたのでしょうか、私(汗)

とりあえず、袋を取って、バノッサに渡そうと腕を伸ばす。
が、いつまでたっても受け取らない。

「バノッピ〜?貰っちゃうよ〜?」

「…………やるよ」

「は?」

「……ッ……この間の礼だ礼!わざわざ買ってきてやったんだ、受け取れ、バァカ!」

「んなっ!!」

バタンッ!と乱暴にドアを閉めて出て行くバノッサ。
…………お礼って言われても……。

袋を破らないように、キレイにあけて、中身を取り出す。

「…………十字架のペンダント?」

シルバークロス。交わっている部分に薄ピンクの石がはめ込まれている。

「………………買った?」

バノッサが?……ピンクの石を?
…………想像できない

ちょっと魂が昇天しかけた。
あやうく永久の眠りにつかされるところだったわ……(汗)
メスクルの眠りよりも強力…………!!

窓の外を見れば、暗い闇の中に浮かぶ、アルサックの花。

…………明日は、あのアルサックと同じ色のこのペンダントをつけて、お花見にでも行こうか。




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