「……そんじゃ、は元々18歳だったのか?」

「うん、一応高校も行って……あぁぁ、なのにこんな頭悪くてごめんね……!?」

「いや、そんなことねぇよ。……それで納得だ。普通の編入生が、うちの学校の授業についていけるわけねぇもんな」

みんなに全てを打ち明けた翌日、朝練が始まるまでの短い間。
私は、景吾がちょこっといなくなったと同時に、レギュラー達に質問攻めにされていた。

「でも、今ここにいる私は、みんなと同い年だから。今までと同じ扱いでね?それ変えられると、ホントへこむから……!」

「わかってるって!だしなっ!」

「俺たちが知ってるさんは、今のさんですからね。……それで、あの、ご両親のことを、お聞きしてもいいですか……?」

チョタの遠慮がちな声に、少し微笑んだ。
……大丈夫、そんなに辛くない。むしろ、みんなに言えることが、嬉しい。

「うん、大丈夫だよ。……私の家は、普通だよ。本当に、ごく普通の家族だった―――」

様々なことを話し終えて、みんなが、ほぅ、と息をついた。

「……こうやって聞いてみると、俺たち、のこと、なんにも知らなかったんだな……」

「ようやく、のことが分かった気がするぜ……」

「……ごめんね、隠し事ばっかりしてて」

「もう気にせんとき。…………そや、ちゃん。一般家庭が恋しくなったら、俺んとこ来てえぇからな」

「あっ、侑士ズリィ!お、俺のとこにも来いよ!母ちゃん、料理だけは得意だかんなっ、一緒に納豆食おうぜ!」

………………がっくん、納豆って料理……?まぁ、いいけど……!
君の可愛い姿を見ながら納豆……うわ、がっくん見てるだけでご飯3杯いけそうだね……!(オイ)

「ま、なにか困ったことがあったら、俺らに相談しろよ。助けてやれることもあるだろうしな」

……亮、なんていいヤツなんだ(ホロリ)

「寂しくなったら言えよ!うちの母ちゃん貸し出しすっからな!」

「貸し出しって……それどないやねん、岳人」

「俺の家も3人兄妹だし、にぎやかだから遊びに来て〜?」

「うちは、バカな兄貴がいるだけだが……一般家庭なら、俺んちが1番だな」

「俺の家、泊まる部屋だけならたくさんありますから!」

「道場なんかもありますし、よろしければどうぞ」

次々とお家へ招待してくれるみんなに、感謝感激。
……あぁ、もう、やっぱり私ってば幸せ者だ!

「……みんな、ありがとう!」

最大級の、感謝を込めて。

私は、みんなと出会えてよかったぞ―――!と心の底から叫びたい。