「なんとか……終わったな」

「せやな……」

「あー……疲れた……」

「もう、眠いC……」

各々が感想を言って、ぐったりとした表情を浮かべる。
後片付けは優秀な後輩たちがテキパキと進めてくれていたので、私たちはあてがわれた控室に戻って休んでいた。

「……誰かナレーション勝手に変えただろ……誰が『諦めの悪い帝』だ……」

「それを言うなら、侑士……お前、最初に俺殴るとこ、ちょっと本気でやっただろ……すげー痛ぇー……」

「つい力入ってもーてん……」

「日吉がベタベタに触ってたC〜……」

「かぐや姫を守るために必要な行動ですよ……」

お互い言いたいことはたくさんあるみたいだけど、だるだる〜、といった感じ。
そんなに長い時間の劇ではない、やはり慣れないことをするとドッと疲れる。上演中は緊張とわけのわからない何かでテンションがずっと高かったし、その分が一気に押し寄せている感じだ。

そのうちに、言い合う元気もなくなり、とりあえず体力回復するために、無言のままみんなでダラ〜ン、とした時間をしばし過ごす。

「……そろそろ、私、着替えてくる……」

着付けの人が上手だったから、そんなに苦しくはないんだけど、やっぱり着なれない着物を着ているのは疲れる。
身の回りの物を持って、別室に移動しようとしたら、

「あ、ちょい待ち!その前に写真!写真撮ろうや!」

ちょっとだけ元気になった侑士が置いてあった荷物の中からデジカメを取り出した。
みんなも、ゴソゴソとデジカメを持ってきた。

、真ん中な!」

「ほら、こっち来い、

がっくんに言われるのと、景吾に手を引っ張られるのとほぼ同時だった。

「へっ?いやいや……私の定位置は一番後ろの端っこですヨ……!」

「何言ってんのさ、が主役でショ〜?あ、でもちゃんとしゃがんでね。後ろのヤツ、映んなくなるから、キシシ」

面白そうに笑ったジローちゃんを、ぱかん、と殴る手は亮だ。

「いーから黙って、小さいのは前行け。お前らが後ろじゃ完璧に映んねぇっての」

その言葉に、ぶーぶーと文句言うチビーズだったけれど、すぐに私の隣にジローちゃん、景吾の隣にがっくんが配置。
後ろにチョタ、亮、侑士、若、樺地くん、が並んで。

「おーい、ちょっと写真撮ってくれー」

そのあたりにいた後輩を捕まえた。

「じゃ、行きますよ〜。……ハイ、チーズ」

―――パシャ、と小さくなったシャッター音は、今この時の思い、感覚を焼き付けてくれた。