「あぁぁぁぁ!!!跡部とちゃんが一緒に寝てる〜〜〜!!!」

がっくんの声で、ガバッと起きた。
……いや、正確には起きようとした。

それが出来なかったのは、体を包んでいる腕があったから。

景吾はまだ寝てる。
がっくんの大声にも目を覚ましていない。

「ちょっ、け、景吾!起きて〜〜〜!!」

トントン、と景吾の肩を叩いてる間に、がっくんの大声に驚いたみんなが集まってきてしまった(泣)

「な……なにしとんねん、跡部!思春期の男女が一緒に寝たりしたら、あかん!」

侑士が布団をひっぺがして、なんとか私に絡み付いてる景吾の腕をどかそうとしてくれる。

「あ〜……と跡部、同じパジャマだ〜……」

ジローちゃんが眠そうな声で言ってきた。
……あぁぁ、妙なところに気づかないでぇ〜。

「やっ、これは……景吾がくれたっていうか、えーっと……」

この世界に来た初日に借りたパジャマを、そのまま着てるだけなの〜!
だから、決して景吾とおそろいにするために買ったわけではなく……!

ようやく景吾が目を覚ましたらしい。
至近距離で見える景吾の目が、不機嫌そうに少し開かれ、侑士を捉える。

「……うるせぇ、邪魔すんな」

「邪魔するわ、アホ!……も、もしかして跡部、毎晩ちゃんと寝てんのか……!?」

「違う違う違う!これは、昨日景吾が来て……えーっと…………眠くなってそのまま寝ちゃって……」

ちゃん、ダメや!この男の前で、そんな無防備になったらあかん!……岳人、手伝い!」

「お、おう!」

がっくんまで、ひっぺがそう計画に賛同して、なんとか私は景吾の腕から抜け出すことに成功する。
…………今となっては遅い気もするけどねー……(遠い目)

その後、散々侑士や笑顔のチョタに、『景吾の前で無防備でいることの恐ろしさ』を教えられた。

…………それでも結局疲れて、帰りの車の中では景吾の肩に寄りかかって寝ちゃったんだけどさ。