けたたましい音を立てて、電話が鳴った。 一瞬ビクッと身をすくませる。 「心臓に悪いなぁ……」 1人つぶやくと、電話を取り上げた。 「はい、ですけど……?」 『あ、ちゃん?私、晴子』 聞こえた声に、なぜだか安心する。 「晴子かぁ、誰かと思ったよ」 『あのさ、今日、新しいボールが届いたんだけど、マネージャーで分担して持っていくって話だったよね?』 「あ、届いたんだ〜。じゃ、今からとりに行くね」 『うん、そうしてくれると嬉しいな』 「じゃ、今からでます〜。ちょうど暇だったんだよね」 『そう?じゃ、待ってるね』 電話を切って、コートを取る。 簡単な書置きをすませて、靴を履いた。 駅まで歩いていこう 寒いしバスで駅に向かおう |