お泊り





ドンドンッ!

ドンドンッ!



(誰だ?こんな遅くに……)

時計にチラリと目をやる。針は11:00を過ぎたところを指していた。

(これで越野とかだったら、殴ってやろうっと……)

腰をあげて、すこし腰をかがめ(頭をぶつけるので)玄関のドアを開けた。

「はい?」「彰ぁ!」

ドアを開けた瞬間に、仙道の大きな体に抱きつく。

「????どうしたの、こんな遅くに」

思いがけず現れた人物に、さすがの仙道も驚きを隠せなかった。

は、陵南高校の1年生。仙道彰の幼なじみ&彼女で、仙道を追って陵南高校に入学した。もちろん実家は東京なので、学校の近くのアパートに一人暮らしをしている。それほど仙道の暮らしているアパートとは遠くないが……にしても、女の子が夜遅くに一人歩きができるほどの距離でもない。

「そんなに俺に会いたかっ……」

「物理!物理のレポート!助けて!教科書、忘れてきたの!」

現実味溢れるの声に、仙道の妄想はかき消された。

「あ……レポートね……わかる範囲だったらいいよ……」

「うぅ〜……神様仏様彰様ぁ〜……」

うっすらと涙さえも浮かべて、頭をさげる

「ハイハイ。ま、上がりなよ」

「ん……お邪魔します……」

急いででてきたらしく、バッグに入れずに、両手にペンケースとレポート用紙とノートを抱えている。

ひょいっ、とそのノートを見ると、女の子らしい可愛い字で物理の公式などがかかれている。

「……あ、ここの範囲だったら俺の昔のレポートがとってあったはず……」

ぱぁっとの顔が太陽のように輝いた。

「ホントッ!?やったぁ〜!」

押入れから、一つのダンボールを出すと、その中から1つのレポートを選んでに渡す。

「ありがとぅぅぅ〜!彰がセンパイでよかった……」

「いえいえ。どーいたしましてvv」

ふぅ〜……とが大きく息を吐く。

「越野先輩に言ったら『物理は仙道の得意分野だからな』っていうから、急いで出てきてホント、よかったヨ」

ピク、と仙道の眉ならぬ、ツンツンの髪の毛が動いた。

「……越野に?」

「うん♪一緒に映画見に行った帰りに気づいたから。で、さっきも彰の家の前まで送ってくれて。1人じゃ怖いもん」

(……ハイ越野、明日ランニング10周追加決定―――)

「へぇ〜……楽しかった?」

仙道の邪悪なオーラにはただならぬ恐怖を感じる。

「……う、うん……」

「へぇ〜……ふぅ〜ん……」

「あの……彰サン?」

トントン、とその肩をたたいてみると……

「んぅっ!?」

何十秒もの長い口付けの後、仙道がにこやかな笑顔で言う。

「じゃ、これレポートのお礼ってことでvv」

「……は?」

「イタダキマスvv」

の首筋に噛み付くように口をつける。

深紅の花がところどころに散っていく。

軽い痛みに思わず顔を赤くして目を瞑る。

その瞼に軽く口付けすると、ひゃぅと、可愛い悲鳴をあげる。

「……可愛いなぁ、は♪」

「……彰、親父っぽい〜……」

こんな会話をする間にも、仙道の大きな手はのブラウスのボタンを瞬く間に外していく。

「……彰ってさぁ」

ボソッとがつぶやいた。

「ん?」

ゴソゴソ。

「……なんか、服とか脱がすの慣れてるよね」

ギク。

「……そんなことないよ」

ガバッとは起き上がった。

「あるよ〜!絶対ある!!!だって、なんで片手でボタン外せんのさ!しかも、超早いし!」

「え?」

ということで、とは脱がされたブラウスを胸の前までかき集めて立った。

「……私、帰るね♪明日朝練あるから早いし」

手早く両手でボタンを止める。

自分の持ってきた荷物と、仙道のレポートをしっかりと両腕に抱えて、ダッシュでその場を逃げ切ろうとする。

が。

パシッ。

腕をつかまれ、そのまま胸にひきこまれる。

「……まさか、本当に帰れるとは思ってないよね?」

にっこり笑ってキスを1つ、2つ。

すぐに止められたボタンを外す。もちろん片手で。

「わわわわわ……あ、明日、本当に朝練なんだってば〜……してから帰ると遅くなるじゃん〜……」

なんとか逃げようとするが、仙道はそれもにこやかにかわす。

「じゃあ、泊まってけばいいよ♪」

何か言おうとするが言葉は発せられず、の口は開いては閉じ、閉じては開きを何回か繰り返し―――閉じたところで止まった。

「……沈黙は肯定ね♪」

「……明日は授業受けられないやぁ〜……」

「大丈夫♪俺が教えてあげるから」

キスをして、下唇をきゅっと噛んでやる。

の着ていたすべてのものを取り払うと、仙道はゆっくりとその柔らかな肌を愛撫した。

「くすぐったいよぉ〜……」

クスクス笑うに仙道は少し微笑むと、双丘に口を近づけその突起を口に含んだ。

舌で転がすように弄んで、歯で甘噛みする。

体に汗が浮かんできた。

「……、体、楽にして……」

ふっと体の力が抜けると、仙道は強いキスをにおくる。

歯列に舌を這わせ、奥のほうへとのばす。

の性感帯を知り尽くしているから、仙道はそこを的確についていく。

「ん……ぁっ!ぁんっ」

感じているので、無意識のうちにしがみつく腕の力が強くなる。

仙道は、そのつかまれた腕の力で、先に行っていいのか判断した。

「……、いくよ」

「う……んっ……」

質量、サイズ共に増した仙道をは小さな体で受け止める。

ゆっくりと動くと、の爪が仙道の背中に食い込んだ。

海を泳いでいるような不思議な感覚に陥る。

が小さな悲鳴をあげた。

「……彰ぁ〜……も……ぅ……」

「わかってるよ、……」

ぐっと仙道はの中に入ると、一気に外へ引いて、もう一度突き上げた。

「はっ……あ……あぁぁっ……!」

「……くっ……」

仙道とは同時に果てた。

仙道は、果てた自身をから引き抜くと、の汗に濡れた髪の毛に触れる。

「……無理させたな、悪い」

薄くは目を開ける。

「……だいじょーぶだよ。私、彰のこと大好きだからvvんじゃ、おやすみvv」

仙道の顔が赤くなったのを、は知らない。





「……あ、あき、彰ぁ〜〜〜!」

耳元で大声をあげられた仙道は、否応なく起こされる。

「……ん?」

「寝坊したぁ〜!!!んじゃ、行ってくるから!じゃあね!」

バタンッ!

むくり、と起き上がった仙道は、髪をかきあげる。

「……あ〜あ、。レポート一式全部忘れてった……」

おつかれさまです。さん。







あとがきもどきのキャラ対談



銀月「……やっとこさ、スラダンです。遅くなって申し訳ありません」

仙道「遅くなりすぎだと思うのは、俺の気のせいかな?」

銀月「……仙道に言われちゃおしまいだね……私……」

仙道「そうそう。銀月の文才のなさのおかげでに無理させたの」

銀月「……すみません、さん」

仙道「さぁ、そろそろいこーかvv」