Lovery prince!第6話〜またなんかはじめやがったな!?〜
と早く会いたいのに
僕はどころかまだ誰一人として参加者に会っていない。
本当にこれ、他の部活の人も参加してるの?
既にもう何度もリピートをかけているQUEENの音量を小にする。
物音さえしない。
……本当に誰か参加してるの?
半径1km……っていったら、直径が2km。
狭いとは言えないけれど、十二支高校の部活をやっている人の人数からして、誰か1人くらいには会ってもいいよね。
……監督、まだなにか考えてないかな?
……たとえ監督っていったって。
になにかあったらただじゃおかないよ?
全くもって、不可解ですね……
なぜ監督は私たちにこのような事をさせるのでしょうか。
いくら全校生徒が楽しむ体育祭といえど、野球部の顧問がおいそれと口出しをしていいものなのでしょうか。
……本当に謎だらけです。
ただ1つ願うのは。
……ただ1つ願うのは。
くん。
……あなたが無事でいることだけです。
がいないっちゃ……
こんなに探し回っているのに……
どこにいるばい、。
がいないだけでこんなにも不安だっちゃ……
誰かにつかまってなかと?
誰かに襲われてなかと?
……心配で心配でたまんないっちゃ……
早く、
早くこのゲームを終わらせて、
お前を救ってやるばい……。
「……ふ、振り切ったかぁ……」
私は、額に浮き出た汗を拭った。
こ、こんなのが今日いっぱい続くの!?
……羊谷のおっさん……
あんた、とんでもないことやらかしてくれたなぁ!?(泣笑)
チョンチョン。
なんだよ。人が怒ってる時に。
トントントン。
ったく、うざったいなぁ……
ポンポン!
「なんだよ、さっきから!!……って、え?」
ニタァ。
顔面蒼白、冷や汗ダラダラ。
こ、
今度は新手の輩か―――!!!
「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!」
「待ちやがれ!」
「んなこと言われて待つやつがどこの世界にいるんだよぉぉぉぉ!!!」
「ちょっと待ってくれ!お前も『姫』だよな!?」
ピタ。
……お前『も』?
「ってことは……」
振り返ってまじまじとその声の主を見る。
……ぶっ……
「……やっぱ変か?」
変も何も……
「あんた、
ナース服
か!!!」
男のナース服……いや、マジ受ける。
可愛い系の男の子だから、本当に……なんていうのか、似合う。
「そういうお前だってセーラー服だろ!?」
「るせっ!」
ゴイン!
私は思いっきりソイツの頭を殴ってやった。
「……ってぇ〜……でも、お互い、妙なことになったよなぁ……」
深々と溜め息をついたので、私も大きく息を吐いて言った。
「全く、そうだよなぁ……だって、これって優勝したチームに利益があるだけで、姫役の俺らにはなんの利益もないんだろ?」
「あ、それ違うぜ。……逃げ切った姫にもなにかあるらしい」
……え?
……そ、そんなこと聞いてないッス!!!
「嘘だろ〜〜〜〜!?それ早く言えよなぁ〜!」
「え?聞いてなかったのか?……ちゃんと伝達いってないみたいだな……本当になんなんだ、このゲーム……」
「羊谷のおっさんだから……」
私がそういった瞬間。
キーンコーンカーンコーン!!!
狂ったようにチャイムが鳴り出した。
「な、なんだぁ!?」
ブツッとまたあの嫌な音。
『おーす、みんな元気にバトってるかぁ〜?』
「バトってるわけねぇだろ!(しかも元気に!!)」
『そんなつれないこと言うなって』
ど、どこで聞いてるんッスか!?
『ま、雑談はそれくれーにしておいて……今から姫を奪われた部活の名前、呼ぶからな。……えーと……おぉ……こりゃ、生きてる方をいったほうが早いな。あ〜、生きてる部活。言うからな。……野球部、男バス、サッカー、男テニ……そんだけだ』
そ、それだけぇ〜!?
「……念のため聞いておくが、お前、何部だ?」
「……野球部……お前は?」
「……サッカー……」
……間違ってはいないな……。
「ってことは、後4つの部活しか残ってないのか!?」
『そのとーりだ、 。さて。ここから裏ルール発動だ。よーく聞け。……姫を奪われた部活、後1時間以内に姫を救出しろ。……救出できなかった場合………………失格だ』
まじっすか……
「すげー裏ルールだな……」
「か、監督だから……」
『そのとーり。監督だからだ。……参考までに言っておくと、姫を奪われた部活のほとんどは、野球部にやられているぞ……それでは、また後で放送する』
ブツッ。
「……切れたな……」
「あぁ……それじゃ、俺たち一緒にいないほうがいいな……」
「なんでだよ!?一緒に姫役で頑張ろうぜ!」
「……お前、聞いてなかったのか?大半が野球部の奴にやられてんだぞ?……俺と一緒にいて、万が一野球部にあったら……お前だけやられるぞ……」
「マジで?」
「……野球部は……やる……」
サーっとあいつの顔から血の気が引いた。
「……そ、それじゃぁな!!」
猛然とダッシュ。
「……無事でいたらまた会おうな!!」
私の声が、届いただろうか……。
のためだと思って、俺の目の前を通る奴は全部捕まえたZe。
だけど、その中でも変な格好した奴らだけが姫だっTa。
……つまり、姫役はコスプレなんだNa。
弁護士スーツ、婦警、浴衣……
あと見てないのは着物やスチュワーデス……それにセーラー服Da。
昨日、キャプテンが『セーラー服』とかなんとか言ってたから……きっとはセーラー服なんだろうNa。
セーラー服の……
そんな格好したを、男どもが放っておくわけがないNa。
……絶対に見つけ出して、守ってやるZe。
ったく……
本当にめんどくせーこと考えるぜ、あのおっさん。
とりあえず、行く先々で会った変な格好した奴をとっつかまえたら……なんとこいつらが姫役らしいな。
……こいつらが着てるのは、着物(女物)、スチュワーデス服、バスガイドの制服……とかくだんねーものばっかりだ。
……ん?
ってことはだ。
……もそーゆー奴を着てるのか!?
お。
あれは……ナース服の奴……残りの姫役だな。
とりあえず……
あいつを捕まえたらを探しに行こう。
ブツッ。
ひぃっ!
私は知らず知らずのうちに悲鳴をあげた。
羊谷のおっさんの放送、聞くのがイヤなんだ〜。
『よぉ。……どーやら、姫を救出できた部活はねーみてぇだな。……それに、姫を奪われた部活が……ひぃふぅみぃ……野球部以外全部じゃねぇか……おいおい、まだ開始から2時間だぜぇ?』
つ、つまり……
もう私は逃げなくてすむわけですか!?
『っつーわけだ。これで本日のお遊びは終わりだ』
「やった―――――!!!!!!」
『……
なんて言うと思ったか、バカ
』
………………
………………え?
『裏ルール、発動だ』
「嘘〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
『野球部は学校の部室に来い。今から10分以内だ』
10分以内……逃げちゃおうかな……もう。
『…… 、逃げるなよ?』
「は、はい〜〜〜〜〜!!!」
な、なんでバレたんだ!?
『いい返事だ』
だ、誰か助けて……
死に物狂いで走って10分以内に学校へついた。
既に部室には野球部全員の姿があって。
後から入った私は思いっきり注目されてしまった。
……当たり前だよな、セーラー服だし。
早速、
新しいおもちゃを見つけた
ように比乃が目を輝かせた。
「ま、くん!?どうしたの、そのカッコ!」
「……姫役だっていって……セーラー服無理やり……」
「すっっっっっっっごい似合ってるよ!!!!」
「
(今は)嬉しくない!!!
」
私は比乃に向かって怒鳴った……すると。
ブツッ。
ビクッ!
……もう、体が拒否反応覚えてら……
『あー、野球部……集まったな?牛尾、いるか確認しろ』
「はい、野球部メンバー12名、全員そろってます!」
『よし。……それではこれから裏ルールを説明する。耳の穴かっぽじってよ〜く聞きやがれ』
みんな、本当に耳の穴かっぽじってる〜〜〜!!!
『……本当にやらんでいい。……それじゃ説明するぞ。凪、おい、奴らにくじ引かせろ』
近くに待機してた凪ちゃんが私たちにくじ引き用の箱を持ってきた。
1人1つずつくじを引く。
私も……と思って手をのばすと、
「あ、 さんの分はないんです……すみません」
あ、ないの……なんか仲間はずれ〜……。
『よーし、引いたか?引いたな?……そこに書いてある文字、読んでみろ』
「……メガホン?」
「下敷き?」
色々な言葉が各自の口から出される。
「なんですか、これ」
『そいつは、おまえ達の武器だ』
ぶ、武器ぃ〜〜〜!?
ってことは……
「まだ、なにかやるんですか!?」
『まだとは失敬だな……これこそ本題だ……』
「本題ぃぃぃ!?」
『コホン……つーわけだ。おまえ達、存分に競い合え』
「競い合うぅ〜〜?」
『今、AM9:30から、PM7:00まで。ルールは……姫、つまり だな。 を奪い合え。……PM7:00の時点で を所有していた奴の勝ちだ。優勝者には温泉旅行ペアをプレゼントだ』
こ、
今回は本当に豪華賞品!
ギラッと全員の目が輝いた。
『ってなわけで……後10秒以内に支度しろ……じゅーう、ひゃーく、せーん、まーん』
「古典的な間違えッス!!」
子津のつっこみを合図に、一斉に野球部のメンバーが私めがけて突進して来た。
……み、みんな……
怖いよぉぉぉぉぉぉ〜〜〜〜〜!!
思わず校舎に向かって鬼ダッシュ。
誰か、私を助けて!!!!
銀月の言い訳
うへ……
うへへへへへ?(壊)
なんか、おかしいことにぃぃぃぃぃ!!!
次はあの方と(この時点でおわかりですね?) サンとの場面です。
これからはなんとかして十二支全員と対話させたいと思ってます。
……できるかなぁ?←ヲイ。