「……はぁ?」 自分でも素っ頓狂な声だと思う。でも、それをさせるぐらいの内容だったと思うよ? 「……だから、入学手続きしておいたから。これでお前も晴れて高校生だ!」 「いや、私が聞いてるのはそこじゃなくって……その前のことなんだけど……」 「……………………………やっぱ聞いてた?」 「当たり前でしょ?」 あぁ……青筋が浮いてきた。 「……これでお前も十二支高校の一員だ!大丈夫。理事長と校長は父さんの友達だから、入学試験は免除!!!」 「やったー、テスト受けなくてすんだ〜……じゃなくって!!!その前だよ!その前!」 「……やっぱダメ?」 「ダメvv」 笑顔で私が返すと父さんは、怯えながら衝撃的な言葉を吐いたんだ。 「これでお前は十二支高校の男子生徒だ!!!」 「んなアホな話があるか〜〜〜〜!!!!」 、15歳。この歳まで育ててもらった実の親に殴りかかりました。 Lovery prince! プロローグ〜祝!?十二支高校入学!〜 「……はぁ〜……」 口をついて出てくるのは溜め息ばかり。 当たり前だよね!? だって、私が着ているのは、かわいいセーラー服じゃなくって…… 『学ラン』なんだから。 それもこれも…… みぃ〜んなあのクソ親父の所為だ!!! 「なんでだよ!なんで私が男のフリしてまで十二支高校なんてわけわかんない学校に行かなきゃ行けないんだよぉ〜!!!」 「実はだな……」 父さんの深刻そうな顔に、私は何かとてつもない理由でもあるのかと思って騒ぐのを止めた。 すると、父さんはニカ、と笑って。 「何を隠そう、十二支高校は、かの有名な村中選手の出身校なんだ!!!野球をやるものとして、行かないわけにはいかないじゃないか!……しかし、父さんはもう歳だ……だからだなぁ、実の娘のお前に……」 「あんたが村中選手のファンなだけだろ、この大馬鹿野郎〜〜!!」 私の拳が(クソ)親父の顔にめり込む。 「……いいじゃないか、村中選手の出身校だぞ!?」 「……それはいいが……なんで男子なんだ!?」 「それはだな……父さん、お前に野球やってほしいからvv」 「ふぅ〜ん……」 もう、怒る気力もなくなってきた。 「……ま、ここから十二支高校は遠いし、お前の顔を知ってる人もまずいないだろう。背も高いし。ってことで、父さん達は5年ほど海外転勤だから、後は頼んだ☆」 「…………は?」 今、この人はとんでもないことを言いませんでしたか? 「……ワン モア プリーズ?」 「5年ほど海外転勤だから☆……あ、大丈夫。十二支高校の近くにアパート借りておいたから。生活費は銀行振込な。母さんには言っておくから。お前は男兄弟いるから、男のフリも大丈夫だろvvま、頑張れvv」 「語尾に☆つけんな、『頑張れvv』じゃねぇ〜〜〜!!!このクソ親爺がぁ!!!」 怒る気力、再勃発。 ボカバキドカゲシドコ……………以下略。 あぁ〜……思い出しただけでも気分が重い。 「ちきしょ〜………!!!」 それでも、足は自然と十二支高校へ向かう。 遅刻はいけない。 途中で同じ制服を着た男たちを見つける。 もう地図を見るのも面倒くさいし。 このままこいつらの後をくっついていくか。 ついちゃったよ、ついちゃったよ。 十二支高校、校門前。 私はゆっくりと息を吐いて。 ものすごい決意を秘めて、校門をくぐった。 ここをくぐったからには、絶対に秘密守り通してやる!!!見てろよ、クソ親爺〜〜!!! 銀月の言い訳。 ・・・え〜・・・やってしまいました。 っていうか、かなり趣味丸出しです。 ・・・楽しすぎっ! 感想etc...くださったら嬉しいです! 修正2004.8.9 |