だらだらとの背中に汗が伝った。

「……なにしてるの」

「……膝枕」

この行動は当然とばかりに言い放った人物の頭に、パッカーン!と教科書を丸めてヒットさせる。

「……いてぇ……教科書はそういう風に使うものじゃねぇだろ」

流川が眼光鋭く(しかし寝転がったまま)言う。説得力はもちろん0。

「あんたに言われたくないっ!あんたは、教科書を枕代わりに使ってればいいのよ!」

「……教科書はぺらぺらしてるし、固いから嫌だ」

「……悪かったわね、肉厚でぶよぶよしてる太腿で」

「そんなことは一言も言ってない」

「言ってるようなもんでしょ!」

は、もう一度教科書でパコンと殴った。

「……頭が悪くなったらどうしてくれる」

「これ以上悪くなる頭なんて楓、もってないでしょ」

ム、と黙り込む。しかし、相変わらず頭をの太腿から離そうとはしない。

はぁ〜……と大きな溜め息をこれみよがしについてみる。

「……楓さん、重い。いつまでも正座してるのも疲れるんですけど」

「じゃあ、足伸ばせば」

「そーゆー問題でもないんですけど」

「じゃあ、正座のまま」

(こぉの、天上天下唯我独尊男がぁ〜〜〜!!!!)

ピクピクとこめかみがうずく。

文句を言おうと思って、顔を覗き込めば。

(……寝てるし)

は、肩をがっくりと落とした。

ふぅ、と息を吐いて、空を眺める。

きれいなスカイブルー。

雲がものすごいスピードで空を駆け抜けていった。

「……風、強いのに」

とりあえず、は自分の上着をかけてあげた。

日差しが強い所為だからだろうか、風がいつもよりもさわやかに感じる。

さらさら、と葉がこすれあい、緑の匂いが心地よく体を廻る。

「……おい」

不意にかけられた言葉に、何気なく下をむいてみると。

「…………ん」

そのまま顔を引き寄せられた。もちろん、その下には流川の顔。

流川の唇はすこし乾いていた。それをまるで潤すかのようにの唇を奪う。

風が、2人を包む。

「……キツネ寝入り……」

「……どあほう」

もう一度流川がを引き寄せた。





あとがきもどきのキャラ対談



銀月「……短いけど、いいよね?」

流川「……短いけど、な」

銀月「……もしかして、これが世間一般に言う、ほのぼの!?」

流川「……どあほう」

銀月「……小説っていうか、小話だね」

流川「小話……(結構寂しかったらしい)、行くぞ」

銀月「え……感想くださると、嬉しいです☆」