いつものような朝―――
だけど、いつものようには始まらない1日でもあった。
そう・・・今日は・・・
 
           〜Birthday〜

「はぁ・・・」
私の大きなため息から今日は始まった。
友達はそのため息の意味を知っているのか、関わりたくないのか、そのことに関してはなにも聞いてこなかった。
けど、同じクラスの忍足侑士は気になったらしく、私に話しかけてきた。
「どうしたんや?いつもの元気やないやん?」
侑士は下から覗き込むように私を見上げた。
ドキッとしたが、べつに彼氏ではないので、顔を赤くはしてあげなかった。
「べつに〜わかるでしょ!今日は何日・・・?」
侑士は少し考えただけで、何のことを言っているのかをわかったらしい。
「あぁ。そのおかげで、今日の部活中止やねん・・・ほんまなんでこんな時期に跡部は誕生日やねん・・・」
侑士はわざとらしくため息をついていたが、私は軽く流してあげた。
「っで、なんでため息なん?」
侑士は本題に話を戻してきた。

私は少し黙っていたが、沈黙には耐え切れなくて、喋り始めた。
「今日景吾の誕生日でしょ・・・」
「あぁ、せやね」
間髪いれずに返してくる侑士を殴ってやりたかったけど、話を聞いてくれているので、それだけはしなかった。
「女が景吾の周りにいるってことでしょ・・・」
その言葉を言っただけで、侑士はなぜ私がこんなに悩んでいるのかわかったらしい。
〜w」
にやついた顔で私に笑みを向けた。
侑士のファンの子たちに向けたら、すぐに倒れる人が出てきてしまうほどだ。
だけど、私はまじかでテニス部の皆を見慣れているせいか、ぜんぜんと言うほどに免疫が出来ていた。
「べっつにいいんだけどさ・・・///」
私は真っ赤になってしまった。
自分でも頬が赤くなってしまったのに、気がついた。
私は昔から景吾のことが好きだった。
景吾はお隣同士の幼馴染だ。
昔から知りすぎていて、いつごろから景吾のことが好きになったのかはわからない。
けど、この気持ちだけは、本当だった。

侑士は誰かの視線に気がついたらしく、目の片隅で誰が見ていたのかを確認した。
その人物に気がつくと、薄く笑みを浮かべて私に声をかけた。
「ま、がんばりんちゃい」
侑士はそれだけ言って、去ってしまった。
私はわけがわかんなくて、侑士が去ったほうを見つめた。

後ろのほうから、いつも聞きなれた心地よいテナーの声が聞こえた。
「どうしたの、景吾?」
景吾は少しだけ、機嫌が悪そうだった。
なんでかは、わからないのだけど・・・。
「帰るぞ」
「え?!だって、まだ1校時も始まっ「いくぞ」」
景吾は黙って私の腕を引いていった。

黙って景吾についていったら、景吾の家についた。
何回も来たことがある景吾の家はいつ見ても大きかった。
「景吾なんで怒ってるの?」
だけど、景吾は黙ったままだった。
気まずいけど、なんで景吾が怒っているのかわからないので、そのままにしておいた。
・・・俺様に言うことがあるだろう・・・」
「・・・・」
この言葉を聞いて、なぜ景吾の機嫌が悪かったのがわかったような気がした。
まだ私は景吾におめでとうと言ってないのである。
まぁ、出会っていないのだからしょうがないのだか・・・
「景吾・・・お誕生日おめでとう・・・」
「あぁ・・・」
2人はこれから、楽しく景吾のお誕生日を祝いました。
めでたし、めでたし・・・
「じゃないよ〜!!
  あれから、景吾の機嫌直すの大変だったんだから!」
が他の男と仲良く離しているのが悪い!」
「いいじゃん!同じテニス部の仲間でしょ!」
「良くない!」
「なんで!!」
2人は、毎日こんな感じで仲良くしています。






BBSでちょこっとおねだりしたら、本当に頂いてしまいました……!
あわわわわ、本当にありがとうございます……!
あーとーべー!(壊) 誕生日ネタですか!
自分の誕生日だからって、部活休みにしちゃうところが、景吾さんっぽい……!そんな横暴さが愛しいです(黙れ)
ほ、本当にありがとうございました……!(感涙)