木々の間から見えた泉。
おそらくそこで水浴びをしているだろう人を予測して、私は声をかけた。

「ヒソカー……ご飯作るから、バインダー出し……あら?」

予測してた人以外の人間が……たくさんいました。



知っていた再会



!?やっぱもいたんだ!」

「久しぶりだな、元気だったか?」

てくてく、とゴンとキルアが近寄って来る。
うわぁ……相変わらず可愛いことvv

「うん、元気だよ〜。……あれ、2人ともちょっと背、伸びた?」

私の言葉にちょっとだけ照れたように笑う2人。
……あぁぁ、可愛すぎる……!

「そちらはどなた?」

ゴンたちの後ろからかかる声。
!!!!!!

ビスケだ!!!!

思わずじっと見てしまい、自分の不審な行動にハッと気づいて慌ててお辞儀をする。

「あ、えと、はじめまして!、っていいます!」

「あら、はじめまして。私はビスケット=クルーガー。ビスケって呼んでちょうだい」

「はい〜。え〜と、それで…?」

私はヒソカの方を向き直る。
ヒソカはすでに服は着ているけれど、メイクはしていなかった。

「強い人を探してるんだって◆どうやら、カードを手に入れるのに人数が必要らしいよ

「ちょっと待った。……出来れば、アンタみたいにカードに執着がない人がいいんだが、そっちの嬢ちゃんはカード集め、してるんだろ?」

ゴレイヌさんが話を振ってくる。
う〜ん、と私は上を見上げた。

確かにヒソカとは違って私は一応カードを集めているけれど、それはあくまで『遊び』程度のレベルで、別にクリアしようとしているわけではない。むしろ、私がクリアしちゃマズイだろうし。

「私は別にフルコンが目的じゃないから。そこそこゲームが楽しめればいい…ってか、むしろ、イベントとかに関われればそれで満足、かな」

私の答えに、ゴレイヌさんはコクリと頷いた。
逆に今度は私が確認する。

「でも、私たぶん、あなたたちの期待にこたえられるほどの強さじゃないんだよね……人数合わせになっちゃうかもしれないんだけど」

いや、とゆるやかにゴレイヌさんが頭を振る。
どうやらそれでもいいらしい。私は安堵の息を漏らした。

「なんだよ、〜。お前、修行してんじゃねーの?強くなってんじゃねーのかよ」

「いやいや、ちゃんと訓練してはいるけど、あなたたちみたいに才能が溢れているわけじゃないからね。何もかもが素人なわけだからね。その辺大目にみてね……!」

「ちょっと待ってよ、キルア。前とは、ちょっと違うよ?」

「……確かに、前とは違うな」

ボッ、とキルアがオーラを目に集める。
それを見て、呆れたようにビスケが息をついた。

「何いってんだわさ、アンタたち。……この子、オーラの絶対量こそは多くはないけど、洗練度や完成度でいったらアンタたちより上だわよ」

「えっ!?」「マジ!?」「いやいやいやいやいやいや!!!」

その言葉に1番驚いたのは私だ。
まさか……ゴンやキルアよりも上だなんて、そんなわけない!!!

「それは買いかぶりですよ、ビスケさん!」

「ビスケでいいわよ。……格闘に関してはまだ発展途上だろうけど、念の使い方に関しては、かなり洗練されてる。毎日、相当の念の練習を積み重ねてるわね……お師匠は、そこの方かしら?」

チラ、とビスケがヒソカを見る。
ヒソカはニィッと笑ったけれど……私が焦る。

「場合によっては、重要な戦力になりそうよ」

「…………荷が重いので、サポート戦力くらいに思っておいてください」

絞り出すような声に、ポンポン、とヒソカが頭を叩いてきた。






私たちが移動する準備を終えるのを待ってもらって、すぐにアイアイへ移動することになった。

「ヒソカとどんな修行してたんだよ」

「ん〜……ヒミツvv」

「ちっ……そーいや、の能力もろくに知らねェしな」

の能力ってどんなのなの?」

無邪気に聞いてくるゴン。
キルアやゴレイヌがオイオイ、とたしなめるけど、私は笑ってそれを諌めた。

「別にそんなすごい能力じゃないから……」

「えっと、何系?」

「んーとね、特質系」

「いやいやいやいや、すごい能力だから!」

ゴレイヌが慌てて言ってきた。

「特質系ってのは、訓練して持てるもんじゃないんだぜ!?」

「ん〜……でも、使い方難しいし。それに、私自身はまだまだだしね」

「……アンタ、謙虚だな……」

あはは、と笑った。
周りに戦闘の天才奇術師や才能あふれる子供たちがいるからね……!それと比べたら自分がいかにちっぽけに思えるか……!ゴレイヌさんにとくと話して聞かせたい。一晩中語りつくせる自信がある。

「見えてきたよ恋愛都市アイアイ

私の意気込みをすかすように、ヒソカの声がかかる。
久しぶりに見るアイアイ。
あまりのインパクトにゴンは固まっていた。

、今度はボクから離れちゃダメだよ

ぐいっ、と肩を引き寄せられる。
その様子を見て、ゴレイヌとビスケは目を丸くした。

「…………もしかして、とは思ってたんだが、アンタたち……」

「そはボクのモノだから手出ししないようにねもし出したら……」

隣にいるヒソカの念が一気に膨れ上がる。
ゾワゾワと怖いくらいの殺気。

「…………わかった。わかったから、やめてくれ」

ゴレイヌが白旗をあげると、一瞬にしてヒソカの念はかき消える。



ニッコリとヒソカが笑った。