最近、綺麗になった気がする。

笑顔がキラキラ輝いているよ。

この前だって、通りすがりの男が、何人君を見て立ち止まったことだろう。

…………君は、ボクのものなのに◆






パチパチッ……
炎の爆ぜる音が、しーんとした中に響く。

慣れた手つきで、ヒソカが薪をくべるのを見ながら、私はひたすら変化系の修行。
四苦八苦しながら、なんとかお絵かきをしていく。
最初は、◆、次に、♠……最後に、1番難しい
強化系と同じくらい苦手なんだけど……理想は山形とか言ってさ、色々修行をしていくんだけど…………難しい。

「だいぶ早くなったね◆」

「……でも、まだ時間かかるし……ヒソカは瞬間的に出来るじゃん」

言った傍から、ヒソカはボッと念を出して、を作り出す。
連鎖的にをドンドン作り出して……ふわっふわっとそのが浮き出す。

「これが、放出系の応用◆」

「おぉぉ」

「で、に存在感をつけるのが……具現化系の修行

あっという間に、がピンク色になる。こころなしか、表面がツヤツヤしてきた気が……!

「それを操って、思いのままに動かすのが操作系の修行

完全に念の形状から脱した、売り物みたいなピンクのがふわふわと漂って、私の目の前にやってくる。
ほわん、と落ちてきたそれは、私の手のひらに触れると宙に拡散した。

「1つの修行も、色々付け足すことが出来るんだよ

「うわぁ〜……スゴイね、ヒソカ!」

本当にスゴイ!
というか、この人は一体どんな修行をしてきたんだろう?
自力で全てやってきたとしたら、それはもう神さまもビックリだ。

「私、ヒソカに教えてもらえてよかった〜vv」

ヒソカは、いいお師匠さんだ。
見た目からは想像できないけど、面倒見いいし。

「……ん?ヒソカ、どしたの?」

見ればヒソカの動きが止まってる。
薪を持ったままの右手がむなしいよ?

「…………ヒーソーカー?」

がしっ。

「えっ?」

強い力で肩を拘束される。
炎がちらちら映っている綺麗な瞳が、私を見ている。

……◆」

「な、なに!?」

「もう、我慢できないんだけど

「な、なななな、なにが!?……あ、トイレ?なら行ってくれば……」

「違うよ

「じゃ、なに……」

とにかく、そろそろ痛くなってきたので、肩を掴んでいるヒソカの腕をそっと外そうと試みると、耳元で囁かれる低い声。

「セックスしたい

………………………………………………………………ん?

「ヒソカ…………なんか、私……耳がおかしくなった?…………お子様に聞かせたくない言葉が…………」

「セックスしたい、

「うわあぁぁぁぁ!?ひ、ヒソ、ヒソカ!?ちょ、どうしたのさー!?」

「あぁ……ボク、今までよく我慢してきたよねぇ……◆でも、耐えたら耐えた分だけ、熟した果実はおいしい……

自分に酔いしれて震えているヒソカから、離れる。
やばいっ、身の危険を感じる……!(汗)

いや、別にヒソカと関係を持つことが嫌なわけじゃないんだけど!

このヒソカは、果てしなく怖いっつーの!!!

ジリジリと迫ってくるヒソカ。
あぅ……目が……目が怖いよぉぉぉぉ!!!

「ヒ、ヒソカ……!あの、ここ、外だし!初めては、やっぱり外じゃ嫌かな〜!!だから、ねぇ……」

ぽむ、と手を打つヒソカ。
…………納得してくれたのかしら。

「それはそうだね

「でっしょ〜?あはは〜!だからさ〜」

「じゃ、マサドラへ…………『同行[アカンパニー]』オン、マサドラへ

「いやぁぁぁぁぁ〜!?いつのまに『同行[アカンパニー]』手に入れてたのよぉぉぉぉ!!!」





あっという間にマサドラへ着いた。
ガッチリヒソカに手を握られた私は、半ば引きずられるような形で、宿屋へ引っ張り込まれ。

現在の状況。

鼻歌交じりで、サイドテーブルに荷物を置いて服を脱いでいるヒソカ。
ベッドの上で座り込む私。
ムードを出すためなのか、微妙に薄暗い電灯がなんともいえない。

…………深夜番組のドッキリかっつの!

困る。
本当に困るぞ。
……………………一応、心の準備というものがっっっっっ!(汗)

「ひ、ヒソカ、本気!?」

「本気本気……、シャワー先に浴びたい?」

「うぇっ!?いや、えーっと…………」

「じゃ、先にボク浴びて来ていい?」

「あっ、どうぞ…………」

「じゃ、お先に◆」

パタン、とバスルームへ消えていくヒソカ。
1人取り残された私は、ポツンとベッドの上で何をしていればいいのでしょう?
所在無く、ベッドの上をゴロゴロと転がってみたりする。

そして気づく。

こ、これは逃げる最大のチャンスでは!?

そうだ……とりあえず、今日のところは逃げておいて……後で謝り倒そう。
だって、本当に心の準備というものが!!

イキナリ焚き火を囲んで『セックむにゃむにゃしたい』とかいうんだよ?

私じゃなくてもビビるわ〜〜〜!!!
そろそろとベッドを抜け出し、ドアへ行こうとしたところで。

?どこ行くの?」

……………………円、使いましたね、ヒソカさん。

無駄なところで、実力を発揮しないでください!

急いで出てきたのだろう、髪から水滴は垂れてるし、ローブを羽織った体は大半が濡れている。
…………でも、それが堪らなくセクシーだったりして。

「って、何を考えてるんだ、私は!」

?」

ぽたぽたと顔に水滴がかかる。
気づいたらヒソカがすぐそこに。

壁際に追い詰められましたよ、ちょっと!!!(汗)
確信犯ですか!?

はだけた胸が、目の毒……!

「んっ……」

覆いかぶさるように落ちてくる、ヒソカの口付け。
口内を蹂躙され、ヒソカが唾液を送ってくる。
必死にそれを飲み干すと、追い討ちをかけるように、角度を変えて入ってきた舌が歯茎をなぞる。

なんとか崩れ落ちないように踏ん張っていた足が、ギブアップを告げた。

ズルズルと壁に沿って落ちていく体。

頭の芯がぼうっとしてきたところで、私はヒソカの手が服を脱がせていることに気づいた。

一気に思考が冷静になる。

「ひ、ひひひヒソカ〜〜〜!!!」

「ん?」

顎にちゅっとキスされて、そのまま首筋に唇が下がってきたから、慌ててヒソカを引き剥がした。
…………もう、降参するしかない。

「………………シャワー……浴びさせて……ください…………」

ヒソカが、ニコリと笑った。





ノロノロとシャワーを浴びて。
…………もちろん、念入りに体は洗ったけど。

これから、ヒソカに抱かれるかと思うと、怖いんだか嬉しいんだかなんだかわからない。

たしかに、ね、ヒソカはすごい我慢してくれたと思う。
あの、衝撃の『待つよ』発言から、2ヶ月あまり。
普通のカップルだったら、とっくにそういう関係になってても不思議じゃない。

キュッ、とシャワーのコックを捻って、お湯を止める。
置いてあったバスローブに手を通した。

恐る恐るバスルームのドアを開けて、覗くと。

ベッドの上で悠々と寝そべっているヒソカさん。
…………慣れてますね(汗)

覗き見よろしく見ている私を発見すると、少し目を細くして笑いかけてきた。

…………だーかーらー!お風呂入って、メイクもなにもないヒソカさんは、ジャ○ーズも真っ青なんだってば!!!

そんなのに微笑まれたらもう…………!!!

「おいで

まるで、磁石でも埋めこまれたかのように、引き寄せられる。
そろそろとベッドの脇まで行ったところで。
ぐいと手を引かれて。

「……ふ……ぅ……っ」

本当に……キスが上手いんだから……ッ!
スルッとバスローブを割って入ってくる手。
シャワーで温まった体に、少し冷たい手が触れてくる。

大きな手は、最初はゆるゆると上半身をくすぐるように動いていた。
というか、本当にくすぐったくて、笑い出しそうなくらい。
だけど、ヒソカがキスしてるから笑い出そうにも笑い出せなくて。
あっという間にさっき着たばっかりのローブが脱がされていた。

「ヒソ……ッ……苦し……」

呼吸をしようと、唇を離してなんとか息を大きく吸い込む。

「はふ……ぁっ!?」

先ほど離れたばかりのヒソカの唇が、胸の辺りをうごめいている。
生温かく湿ったものが、肌を伝う感触に、どうしようもなく恥ずかしくて。
そして、怖くて。

「や……怖……い……!」

「大丈夫……

暗闇でもわかる、微笑み。

「…………んぁっ!?」

甘い痺れが全身を襲う。
ヒソカが堪らない刺激を与えてくる。
カリ、と甘噛みされた胸の突起。
背筋をゾクゾクとした変なものが駆け巡っていった。

「やぁっ……んっ……」

自分の喉から出ているのが、自分の声じゃないみたいで。
いつか見た、深夜ドラマで女優が出していたような声。
恥ずかしくて驚いて。
思わず堅く口を閉ざす。

だけど、すぐにヒソカの魔法の手が、私の口を滑っていった。

の声が……聞きたいんだけど?」

「や、恥ずかしいし……ッ……んっ……」

「声……聞かせてよ?」

ふっと胸に吐息が吹きかけられる。
それだけで、びくっと反応する体。

もう、恥ずかしすぎて、涙が出てきそう……ッ!

「…………、声……◆」

決して大きいとは言えない、私の胸をヒソカがやわやわと揉んでいく。
その刺激に、思わず声が出てしまった。
満足そうに笑うヒソカ。

また、行動を再開して……段々と下腹部に下がっていく。
いつの間にかヒソカの頭が、胸からお腹に移動していたので、慌てて引き剥がそうとした。

「やだってばぁ!恥ずかしいから……ッ!」

ぺろっ、とおへそを甞められた。

「ぁんっ……!」

「…………、可愛い……

「なっ……そんなんで騙され……ひゃぁっ!?」

誰にも触れられたことがない場所に感じる、生温かいもの。
それがヒソカの舌だと理解したとき、私の顔は今まで生きてきた中で最高潮に赤かったと思う。

「やだってばぁ……んっ……」

本当に逃げ出したいくらい恥ずかしい。
だけど、段々と気持ちよさが増してきて―――。

「ふっ……ひゃんっ……あぅっ……」

「気持ちいい?」

「んっ……はっ……あぁ…んっ!」

「ココ?」

ヒソカが触れたとたん、ビリビリッと電流が走ったみたいになった。

「あぁぁっ!」

おかしくなりそう!

荒い息を吐く私に、小さくキスをすると、『挿れるよ』と囁いて、ヒソカの長い指が……内部に侵入してきた。
今までなにも入ってきたことがないところに入ってくるもの。
ありえない異物感に、顔がひきつった。
最初は平気だったけれど、少しずつ奥に指を感じるうちに、痛みも同時にやってくる。

「いっ……た……」

「慣らしておかないと、後でもっと痛くなるからね……もうちょっと我慢して◆」

1本入れられるだけで、痛かった。
だけど、ヒソカが広げるようにゆっくりとかき混ぜて、しばらくして……痛みがなくなってきた。

「は……ぁ……ッ…………んんっ……」

「気持ち、イイ?」

「聞か、ないでよ、そんなこと……!あんっ!」

ヒソカの指が、秘所の傍にある突起をかすったとたん、脳内がしびれる。
頭の中がシェイクされてるみたいに、なにも考えることが出来なくなる。

いつの間にか、指は2本になっていた。
ヒソカのあの長い指が、自分の中に入ってるのかと思うと、不思議だ。

「ふ……っ……」

「…………そろそろ、限界なんだけど……」

イイかい?

そう聞いてくるヒソカの声は、いつにもまして、低くてセクシーで。
掠れ具合が最高に体に響く。

声だけでどこかにイけそうなのに。
あてがわれた熱いモノで、もう吹っ飛びそうだった。

ぐっ……と入ってきたモノの大きさに、失いかけていた恐怖が舞い戻る。

こんなの入らない。

絶対無理。

痛いって!!

「や、無理!……んっ」

ふさがれた唇。
ねっとりと絡み付いてくる舌を受け止めて、こちらからも少し返す。
零れ出した唾液が、顎を伝って体に落ちてきた。

それがスタート合図。

胎内に侵入してきたヒソカは、すごく熱くて大きかった。
本当に、壊れそう。
引き裂かれるような痛み。

「いっ……やぁ……ッ」

「やっぱり痛い、か……でもゴメン……もう、我慢できないよ……

いつもより少しだけ切羽詰ったようなヒソカの声。
相当我慢してたのだろう、珍しくヒソカの体が汗ばんでいた。

だから、今度は私が我慢する番。

「だい……じょぶ……だから……」

少しだけ上半身に力を込めて浮き上がらせ、ヒソカにキスをする。
いつもは、私からキスなんて恥ずかしくて出来ないけど。
このときばかりは別だった。

ヒソカが色気たっぷりに微笑んで。

ぐぐぐ、と腰を進めてくる。

あまりの痛さに体は逃げようとしていたけれど、それでもシーツを掴んで耐える。
ふとシーツを掴んでた手が外され、ヒソカの背中へ回された。

「掴むのなら、コッチ◆……ツメ、立てていいから

の痛みをボクにも分けて?

…………殺し文句もいいとこだ。

知らない間に流れていた涙をヒソカが拭う。

あまりの愛しさに、思わず言葉が口をついて出た。

「…………大好き……ッ」

「…………愛してるよ

その言葉と共に、ヒソカが少し強く腰を進めた。

ピッタリとくっつきあった2つの体。

ほぅ、というヒソカの熱い吐息が髪をくすぐる。

「…………全部、入った……っ?」

「あぁ…………まだ、痛い?」

「少し…………でも、大丈夫だよ……?」

「もう少し、このままでいようか……◆」

ヒソカが私の中に入ってる。
今までにない近い距離。

痛さよりも幸福感が上回ってる。

「だいじょぶ……動いて?」

ヒソカが髪の毛をそっと撫でてくれた。
ゆっくりと動き出す。

ピリピリした痛みと、時折大きな痛みがあったけれど。

それでも、段々と……痛みの中に、感じるポイントが芽生え始めて。

気がつけば、ヒソカの背中に爪を立てて、喘いでいた。

「んっ……ふぁっ……あんっ、んっ……」

しだいにヒソカの動きが大きくなる。
痛い……けど、その痛さが……気持ちよく感じる。

ぽわっ、と頭の中がしびれてきた。
ぽわぽわと痺れが頭の中を支配していく。

何も考えられない。

「ヒソ……カ……ダメ、なんか………」

壊 れ そ う 。

淫靡な水音。
荒くなる息遣い。

全てが、私の体を熱くする原因で。

「…………ボクも……そろそろ、限界……ッ

ヒソカの律動が、激しくなる。
こすれあうお互いの体。

痺れが頭どころか体を支配して。

「も……ダメ……ッ」

私の宣言と共に、ヒソカが放った熱は。

私が今まで感じたことのない、最奥ではじけた。





全てが終わった後、私の体から離れたヒソカは、放心状態の私を寝かせて、後処理をしてくれた。
本当は私も手伝いたかったのだけれど、体がついていかない。
未だに、ヒソカが中に入ってるような異物感と痛み。
体中を襲うけだるさ。
…………極めつけは、腰の痛み。

全部終えて、ヒソカはベッドの中で抱きしめてくれた。

見たこともないような顔で微笑んで。

「…………愛してるよ

その言葉に、流しきったと思った涙が、また、出てきた。

「…………私も」

愛してるよ。



もう―――ヒソカなしじゃ、生きていけない。