ボクが君の手を握ったのは、で5つのお題
何度も苦しい思いをして、 何度も死にそうな目にあっているのに、 一向に翳らない瞳。 その瞳に宿った光に吸い寄せられるのは―――闇を持つ、人間もだ。 何も言われなければ、彼女の肉体が通常の人間の肉体を遥かに超越しているとは思わない。 何も言われなければ、彼女の念能力が誰もが持ちえない特殊なものだとは思わない。 何も言われなければ、彼女の脳内に未来が刻まれているとは、誰も思わない。 ごく普通の人間。 それが大半の人間が、彼女に抱く印象。 でも、誰もが微かに漂う『何かが違う』雰囲気に、ひきつけられる。 それは時に、 獣のようなしなやかさを持った動きであったり、 特殊なモノを持つというカリスマ性であったり、 不意に見せる、何もかも見通したような瞳の強さであったりする。 だけど。 「……ボクのこと、好きかい?」 「……へっ!?ちょ、ヒソカ、急に何を……!」 「いいから、答えて◆」 ボクの言葉に戸惑ったように視線を彷徨わせる。 恥ずかしがっている姿は、体に震えが起きるほど可愛い。 今まで、他人からの好意に、興味を持つことはなかった。 でも―――今、彼女から向けられる好意が、こんなにも気になる。 視線がかち合うと、観念したのか、照れたようにはにかんで 「……ヒソカ、大好きだよ」 と見せてくれた、彼女の屈託のない笑み。 この笑顔は、自分だけ。 自分だけに見せてくれるもの。 言い知れない満足感に、全身を包む歓喜の震え。 「?どしたの、ヒソカ」 困ったように笑った彼女の手を思わず握り締めたのは、この笑顔を、誰にも渡したくなかったから。 ボクが彼女を愛する限り、 心を蝕む独占欲でさえ、快楽となる。 「誰にも渡したくなかったから」
HUNER×HUNTER ヒソカ 「僕がきみの手を」で5題 確かに恋だった http://have-a.chew.jp/ |