HUNTER×HUNTER   〜ヒソカ〜




「おかえり」

その言葉は、キミが僕の帰る場所なんだと、実感させてくれる。



他人のことに興味はなかった。
別に、他人の命なんてどうでもよかったし―――そう、自分の帰る場所でさえ、興味なかったハズ。


帰る。


そんな言葉を使うことなんて、キミに出会うまでは滅多になかった。
帰る?どこに?
帰る場所なんて、興味がなかった。だから、そんな言葉、使うわけがないだろう?

だけど、いつの間にか。
どこか出かけたら、キミのところへ『帰ろう』と思う自分がいて。

あまり使うことがなかった言葉を、使うようになった。

「ただいま」

そう言えば、ニッコリ笑って「おかえり、ヒソカ」というキミ。
そこでキミを抱きしめれば、ボクは満足。

「おかえり」

その一言が、ボクに『帰る』ということを教えてくれた。

「おかえり」

その一言で、キミがボクを待っていてくれると感じることが出来る。

今もボクは、キミ以外の人間に興味はない。
他人の命なんて、どうでもいい。
他の誰に何を言われても、特に何も感じない。

だけど。

キミが言う、「おかえり」は。

―――ボクが唯一執着する、言葉なんだよ。

「おかえり」

そう言ってくれるキミが、とてつもなく愛しいんだ。
だから、ボクは今日も『ただいま』といって、キミを抱きしめる。




ヒソカ  「おかえり」