「ただいま」

そう言える場所が、そう言える人がいることがこんなに安心できるって知ったのは、つい最近だ。
自分の世界を失って。
故郷を失って。
両親や帰る家も失った。

もしかしたら、もう2度とこの言葉が言えなかったかもしれないのだ。

それでも、ヒソカが作ってくれた。

帰る場所を作ってくれた。

どこに行っても、
たとえ1人で世界の果てへ行こうとも。
必ずヒソカが待っていてくれるから。

ヒソカが待っていてくれる場所が、私の帰る場所。

「ただいま」

そう言えるのが、嬉しい。

そして、ヒソカが私のところへ帰ってきたときに

「ただいま」

そう言ってくれるのが、嬉しい。

どこかへ出かけても、ヒソカは私のところへ帰ってきてくれる。

「ただいま」

それを言い合える嬉しさを、私はヒソカから教えてもらった。
だから私も言うのだ。

「ただいま、ヒソカ」

「おかえり」

ほら、これだけで笑顔になるほど嬉しい。