私とバルレルが奇妙な縁で、同じ部屋に眠ることになってから、もう何回朝を迎えることになっただろう。
もう、数えるのも面倒くさくなったほどの月日が経っても、変わらないこと。
それは、いつも、私はバルレルに起こされるということ。

大概は、大きな声だったり、耳をひっぱられたり―――そんなことばかりだ。
酷いときは、どこから持ってきたのか、氷を背中に入れられたこともあった。

でも、さすがにもう、バルレルのその攻撃には慣れた(氷は嫌だけど)

朝の心地よい二度寝の時間は譲れないのよ!!
せめて、あと5分くらいはいいじゃない!!

そう思って、私は、今日も朝寝坊をすることに決めた。
えぇ、誰がなんと言おうと、朝寝坊してやるッ!←変な決意

「おいっ!!いい加減起きろッ!」

バルレルの声が耳のごく近くで聞こえる。
意識は覚醒しているけど、このまどろんでる時間が好き。
私は無視して、目を瞑ったままでいることにした。

そのうち、バンバン、と布団の上から殴られる。

手加減してるからだろう、全然痛くないので、起きようとする気なんてちーっとも起きないよ(日本語変)

「……んだよ……珍しく、ホントに起きねェな……」

もうちょっと寝たいんだもん…………そろそろ、諦めてくれるかな。

「…………ケッ……あー………そーだなァ………」

バルレルの声が…………なんだか、意地悪くなった気がする。
ヤバイ気配を感じて、起きようかな、と思ったけど、身体が覚醒することをよしとしてない。瞼が…………開かない!!

ギシッ…………

ベッドのスプリングが軋んだ音がした。
それと共に、私の身体にかかる体重。

ヤバイッ!!!起きろ!起きるんだ、私―――!!!
さっきの、妙な決意はどーでもいいから、目覚めろ―――!!

私が、ようやく瞼を上げるのと、バルレルが私の耳に、息を吹きかけたのは同時だった。

耳に感じる、吐息の熱さに一気に顔に血が集中する。

「ぎゃ―――!!!な、ななな、なにす………ッ!」

私の上に乗っているバルレルは、ニヤッと笑った。悪魔の微笑で。

「やぁっと起きやがったか。…………オラ、さっさと顔洗え。メシ食いに行くぞ」

私は、顔を赤くしながら、コクコクと頷いた。