何時間か眠っていたらしい、もう真っ暗だ。

部屋の明かりをつけようと立ち上がった。

カコン。

そんな音が鳴った気がした。

(?……気のせいか……)

カコン。

やっぱり鳴っている。窓のほうだ。

ザッとカーテンを開けた。

そこから見えたのは、ふて腐れたように座るノブナガの姿。

ガラリ、と窓を開けた。

「…………なにしてんの」

わざと疑問符をつけないで言ってやった。

なぜなら……

私とノブナガは彼氏と彼女の関係で……なおかつケンカ中なのだから。しかも、120%ノブナガが悪い。…………他の女の子と2人っきりで映画になんて行くんだから。しかも私に内緒で←ここポイント

「………………」

黙ったままのノブナガ。

ちょっと頭にきたので、そのまま窓を閉めようとした。

「あっ、コラ。待てよ」

「なに?」

目と目が合う。

(なんか言い訳でもしにきたの?)

(…………ちきしょ〜……)

視線だけで会話する。

「…………悪かった!!俺が悪かったよ!!」

「それで終わり?ふ〜ん」

「だぁ!!!とにかく中に入れてくれ!!寒くて寒くて……」

「……いいよ。とりあえず入れば?」

果てしなく冷たく言って、玄関を指差してやる。

しばらくすると、玄関を開ける音がした。

「…………〜……」

「なにかしら、清田君」

「…………悪かったよ。ちょっと誘われて……」

「別に遊びに行くのはいいのよ。……100歩譲って2人っきりでも許してあげる。……でも、内緒で行くなんてやましいことがあるとしか思えない!!」

「違うって!!」

「どこがなにが違うのよ!!……私とは部活だなんて言って、デートなんてしないくせに!」

…………結局は嫉妬だったのだ。

醜い感情が膨れ上がる。

「だから、あれは……」

急にノブナガが黙り込んだ。

そっと手が伸びてくる。

「…………、ごめん……謝るから、泣くなよ……」

流れ落ちた涙を掬い取られた。

「ごめんって…………泣くなよ」

「勝手に出て来るんだもん〜……」

「…………俺が好きなのはだけだからさ」

「う〜…………」

しかいらないから」

「え〜ん……」

「だから、泣き止めよ〜……」

「うわ〜〜〜ん……っ」

溢れてくる涙が止められずにいた。

「…………だぁっ!泣き止め!!」

ぼふっと抱きしめられる。

「いいか。…………百数えるうちに泣き止めよ?」

「…………泣きやまなかったら?」

「…………泣きやむまでこうしてやる」

「………………じゃ、ずっとこうしてたいな」

「!!馬鹿か、オマエは!!」

ノブナガは真っ赤になったけど、腕の力強さは変わらなかった。



Happy Happy New Year!!

清田エンディング