気分がいいので、海が見える公園まで行くことにした。 右へ曲がる。 こころなしか歩調がさっきよりも早くなった。 (潮風が寒いかな?) ちょっと思ったけど、もう行き始めた心と足は止められない。 あっという間に公園についてしまった。 潮風は確かに冷たいが、冬の海もなかなかきれいだ。 暗くなりかけているから、幻想的に思える。 「あ〜、もうちょっと天気がよければなぁ……」 「ホントになぁ」 「!?」 真後ろから聞こえた声に、驚いて振り向く。 と、みなれたピアスが目に映った。 「…………リョータ先輩?」 「うす。どーしたんだ?ちゃんは。こんなカップルだらけのところに1人で」 「むっ、リョータ先輩こそ、どうしたんですか。同じく1人で」 「…………きかないでくれ」 「…………アヤコさんに相手にされなかったんですね……」 涙を流し始めた宮城の頭を、ポンポン、とたたく。 「うぅ……どーしてなんだ、アヤちゃん……今日もデートに誘ったら、だめだったし……」 ちらちらとの様子を伺いながら言う。 の反応を見ているのがバレバレである。 「あぁ、今日はマネは晴子のところからボールを持って帰ってくるという役目があるからじゃないですか?……大丈夫ですよ、そんな気を落とさないで!!」 宮城はそれでも、気を落としたままである。 「…………リョータ先輩?」 「…………(どーしてこの子はこんなに鈍感なんだろう)」 「…………何か言いたげですね?」 「(無駄なことには敏感だし)」 「もう!なんですか!?」 怒り始めた女の子を、宮城は限りなく愛しいと思った。 「なぁ……ちゃん、いいのか?晴子チャンのとこ行くんだろ?」 「あっ!そーだ!!なんかすごい時間とっちゃった!!暗くなってきたし……」 「しょーがねぇな、俺が送ってやるよ」 「……そんなこと言って、アヤコさんに会いたいだけなんでしょ?」 「違うし!!第一、アヤちゃんは好きだけど……それ以外に好きなコいるし、俺」 ぽろりともれた本音に、が激昂する。 「…………なんですか、それ!アヤコさんは遊びってコト!?」 「いや、違う!アヤちゃんは、憧れなんだよ!…………っていうか、ぶっちゃけちゃんなんだけど!」 ピタッとの罵りが止まる。 勢いで告白した宮城は下を向いたままだ。 それでも何の反応も示さないを不思議に感じて、ちら、と目だけを上に上げる。 目が、合った。 その瞬間、の顔が真っ赤に染まる。 「…………ちゃん、俺、期待しちゃうんだけど?」 「……!!勝手にしててください!もう、私行きますから!!」 「そんなこと言わないでさ。……ね、俺のコト好き?」 「!!知りません!!さよなら!!」 「送ってくって〜」 「いいです!!さようなら!!」 「返事は今度でいいからね」 「!!!!!!」 真っ赤になった顔をごまかすように、は宮城に向かってアッカンべーをした。 Happy Happy New Year!! 宮城エンディング |