賑やかな生徒達の笑い声も、ここでは少し遠く聞こえる。春の裏庭には、緑があふれている。人気はない。ただ、二人の生徒が座っているだけだ。
昼食を終えた少女――――は、弁当箱を置くと、隣の少年――不二周助――の横顔を見つめた。人形のように端正な顔。サラサラの少し茶色がかった髪。いつも微笑を絶やさない目元と口元。
「ね、周助!!」
「…ん?」
ニコニコしながらパンを食べていた不二が、ニコニコしながらに顔を向けた。
「周助に、弱点ってないの?」
「…??」
微笑を湛えたままの不二の顔に、クエスチョンマークが浮かぶ。
「周助の顔見てたらさ、あ〜んまりキレイなんだもん。非の打ち所がないってカンジで、悔しくなっちゃったのよ。とても私の幼なじみとは思えない!」
不二は、恥ずかしげもなく言う幼なじみの頬にそっと手を当てた。
「だって、十分可愛いと思うけど?」
「私のことはいいの!それより、周助の弱点は?」
「…僕の弱点を聞いてどうするつもりなのかな?」
「え〜、だって完璧なんて悔しいんだもん!困らせてやりたいなって★」
は目をキラキラさせながら計画を語る。
「…――例えば?」
「例えば〜…う〜ん…あ、私、最近できた遊園地行きたいな。あと映画でしょ、それから、コンサートも!私、お金ないんだもん」
「そんなの、わざわざ弱点をネタにゆすらなくたっていつでも連れていってあげるのに…」
「でもっ、知りたいの!!教えてよ〜」
幼い子供のように頬を膨らます。不二は相変わらず天使のような笑顔を崩さない。
「の弱点は、ここだったよね?」
「え!?きゃ―――――っはははははっ!!!!」
不二の白い手がの脇腹をくすぐる。
「やーっ、やーっ、や――め――て――っ!助けて〜!!あははは!!!」
不二の腕の中では笑い転げながら叫ぶ。すると、突然不二の手が止まった。
「はぁっ…はぁっ…あ〜苦しかったぁ…はぁ〜…――周助?」
後ろから自分の体に腕を回して、じっとしている不二に、は声をかけた。
「の背中…とてもあったかいんだね…」
不二は、の背中に顔を押しつけて、優しく囁いた。
「…周助の胸だってあったかいよ〜…」
も不二の胸元に頭を寄せて言った。
暖かい春の陽射しが、温かい二人の体を包む、昼休みの裏庭――
「…君はもう、僕の弱点を握っているんだよ?」
「ん?何か言った?」
「…いや、なんでもない」
「ふーん…ま、いいや。早く授業行こ!」
白い歯を見せて屈託なく笑う少女に手を引かれて、不二も走り出した。
君はもう、僕の弱点を握っているんだよ?
僕の弱点は――…
ぐっはぁ〜!!何やってんだよ、自分!!
ヒロインは天然ボケすぎるし、不二先輩は偽者だし…
健全に書いたつもりだったのだが…よくよく考えるとエロいかも(爆)
アニメの次回予告が「不二の弱点」みたいなカンジだったので、
ついつい書いてしまったのれす…ごめん。
何はともあれさておいて。お目汚し、失礼致しました。
星野 天
ありがとぉぉぉ!天ちゃん!やっぱり、あなたはすごいです。
不二センパイィィィ!!いぃです!いぃです!
不二くん『弱点』なさそうですねぇ・・・・・・。でも、やっぱり弱点はあるのね・・・弱点は・・・うふ。(何)
お礼に書いたスネイプドリ、もらってくれたら嬉しいです。
ありがとね!天ちゃん!